あえて顧客に断らせるのがプロの営業マン!
- 社長の大学★長谷川博之
- 2024年9月1日
- 読了時間: 4分

先日、保険の営業をやっている後輩から、このような相談を受けました。
「保険の話をした途端、用がないっていう顔をされるんですよね…」。そもそも保険の営業パーソンは多くいますし、ほとんどの人が保険に加入しているので、いまさら必要ないと感じる人が多いのは事実です。しかし、そこを突破するのが営業パーソンの腕の見せどころです。そこで今日は、相手にイエスと言わせる方法をわかりやすく解説します。
正直なところ、特別な人間関係でもない限り、保険の話を聞いてくれと言われても、私なら断ってしまいます。とりあえず、今、加入している保険で十分だろうと思っているからです。ただし、思っているだけで、保険に熟知した人がチェックすれば、私に適していない保険に加入しているのかもしれません。しかし、そこまでしなくても…、と思っている人が95%以上だと思われます。このことは、保険の営業マンであれば重々承知しているはずです。
ですから、保険の営業マンで新規開拓がうまい人は「紹介」を有効に使っています。
紹介とは、既存顧客から新規見込客を紹介してもらうことです。課題としては、紹介の数や頻度をコントロールするのが非常に難しいことです。実際、保険の営業マンの中には、紹介だけで成り立っている人がいることも事実です。私の知り合いで、新規顧客はほぼ既存顧客からの紹介だという営業マンがいます。
とは言っても、「紹介してほしい」と言えない営業マンも数多く見受けられます。
紹介が成功するポイントは、タイミングです。顧客の立場で考えると、一番紹介しやすいタイミングは契約した直後です。また、顧客の感情の盛り上がっています。保険であれば保険の契約をした直後ということになります。「お客様と同じように○○で悩んでいたり、もっと家族の役に立つ保険に入りたいというようなお友達やご親戚がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご紹介してください」と伝えます。もちろん、もうひと工夫必要ですが、実はここでもあるテクニックを使います。
営業心理学で、「ドアインザフェイス」というテクニックがあります。
これは、はじめに大きな要求を相手にして、断られた後に小さな要求をすることです。本当に売りたいのは小さな要求のものです。たとえば、最初にあえて難易度の高い要求することによって、相手に一度断らせます。次に、要求レベルを少しずつ下げながら交渉して、最終的に小さな要求まで話を持っていきます。実は、これが本当に売りたい商品なのです。
相手は、最初の要求を断ったことへの罪悪感を抱いているために、「断ったお詫びに、このくらいなら受け入れよう」と、小さな要求を承諾しやすくなるのです。しかし、営業マンはもともとこの小さな要求を受け入れてもらおうと思っていたので、最初に大きな要求をしたのはシナリオ通りなのです。
ドアインザフェイスは、別名「譲歩的依頼法」とも呼ばれ、相手が何かを譲ってくれたときに「次は自分がお返ししなければ申し訳ない」という「返報性の原理」を応用したテクニックです。
また、相手に満足感を与えるのもドアインザフェイスの大きな特徴です。
たとえば、訪問販売で最初に高い金額を提示した際に、相手から「この金額は高いから、もう少し安くしてほしい」と言われたとします。その要望を受け入れて値引きに応じることで、相手は「交渉によって、自分に有利な結果にできた」と満足感を得ます。営業マンはシナリオ通りの流れでも、顧客には満足してもらえるというわけです。これを活用しない手はありません。
保険の場合は、「〇〇さんと同じように□□でお悩みのお友達3人紹介してください」と頼みます。ほとんどの人が「そんなに知らない」と言います。そこで、徐々にカウントダウンして「○○さんの大切な人を1人だけでいいので紹介してください」と依頼します。これはわかりやすい例ですが、紹介で断られたら、無料セミナーの参加を促すという手もあります。
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