営業目標に対する取り組みは、どの企業においても重要なテーマです。
しかし、成果が思うように出ない場合、一般的手法に固執するだけでは問題解決には至りません。そこで今回は、「順算思考」と「逆算思考」の違いと効果的な営業活動事例についてわかりやすく解説します。
順算思考とは、現状から出発し、ステップを着実に踏んでいく発想です。
たとえば、週1回の訪問活動を続けることで、いつかは成果が出るはずだと考えるのが典型的な順算思考です。一方、逆算思考は、最終的な目標を決めた上で、そこから逆算して必要な行動を特定する思考法です。
具体例でみてみましょう。
ある営業マンが今期の売上目標を1000万円と定めたとします。順算思考では「訪問活動を継続すれば、いつかはお客様が付いてくるだろう」と楽観的に考えがちです。しかし、逆算思考をすると、「1000万円を達成するには、1件あたり20万円の受注が50件必要だ。それには300社を訪問し、そのうち50社から見積りを依頼される必要がある」といった具体的な計画が立てられます。
さらに、「300社に接触するには、450件のアポイントが必要で、そのためには2000件の電話やメールが欠かせない」と、具体的な行動計画へと落とし込むことができます。これが、逆算思考の考え方です。順算思考との違いは明白です。
より具体的な事例で順算思考と逆算思考を比較しましょう。
順算思考を営業に取り入れた場合
■毎週一回の訪問をルーチン化し、特定の担当者に顔を覚えてもらうことを目指します。このアプローチでは、短期的な成果よりも長期的な関係構築を重視しています。
■毎回の訪問でニュースレターや商品パンフレットを渡すことにより、ブランドの存在感をアピールします。ここでの着眼点は「露出回数の増加により、いつか興味を引く」であるため、長期間の持続が前提となります。
逆算思考を営業に取り入れた場合
■たとえば、半年以内に年間契約を3件獲得するとします。
そのための具体的なステップとして、まずは20社の見込客リストを作成し、その中から10社にデモやプレゼンを設定するという目標を定めます。この場合、訪問のタイミングや回数はその都度調整され、より確実性の高いアクションに置き換わります。
■訪問前に徹底的なリサーチを行い、担当者が抱えている課題やニーズを把握します。
その上で、訪問時にはそれに合致した提案やソリューションを提供します。アポなしでも、訪問の目的が明確であり、相手にとって価値のある情報を提供することで、関心を引く確率が高まります。
実際の営業活動では、この2つの思考法を組み合わせることが最も効果的です。
たとえば、「毎週の定期訪問」という順算的なアプローチを基本とし、その中で「具体的な商談を引き出す」という逆算的な目標を設定することが可能です。この場合、各訪問において、単なる資料提供にとどまらず、具体的な商談や次なるアクションを引き出すための準備を徹底します。
このように、逆算思考では、目標達成に向けて明確なアクションプランが描けるため、営業活動の効率が格段に上がります。一方、順算思考は、行動の先が見えづらく、活動に無駄が生じがちです。
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