「日本人は勤勉だ」と言われたのは、もう過去の話です。
勤勉には変わりないのかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか?
50歳以上の人の中には、いまだに高度成長期神話を引きずっている人もいます。
高度成長期神話とは、人類史上稀に見る急成長遂げた日本経済=日本人は凄いという感覚です。
急成長を遂げたのは事実なのですが、当時の日本は人口が急増しており、その結果、様々な市場が拡大して急成長を遂げたのだから、当たり前だという説も登場しました。
ここ10年ほど、世界各国の人と日本人の仕事に対する意識の違いを調査したデータを見る機会が多くなりました。
先日も、パーソル総合研究所が発表した、日本を含むアジア太平洋地域14の国と地域における就業実態と成長意識についての調査を読みました。
対象となった国は、中国、韓国、台湾、香港、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インド、オーストラリア、ニュージーランド、日本の主要都市の人です。
この調査によれば、たとえば「上昇志向」について、現在、非管理職である人に聞いたところ、日本は管理職になりたい人の割合が21.4%で、14の国と地域の中で最も低かったのです。
逆に考えれば、日本では積極的な管理職志向がない人は78.6%にものぼります。
また、会社で出世したいと答えた日本人は、5段階尺度の平均値で見ると2.9で、出世意欲も最も低い国という結果になりました。
さらに、衝撃的な調査報告は続きます。
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●勤務先以外での学習や自己啓発について、日本は「特に何も行っていない」が46.3%
で、14の国と地域で最も高くなっています。
2位のオーストラリアと比べて24.8ポイントも差があり、断トツで自己研鑽していない国
です。
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●日本の起業や独立志向は「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計が15.5%で最も低
く、一方、タイ、インドネシア、インドでは50%を超え、中国、フィリピン、マレーシ
ア、ベトナムで40%を超えています。
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●ダイバーシティについて日本は、「女性上司のもとで働くことに抵抗はない」で最下位、
「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」でも最下位で、「年下上司のもとで働くことに
抵抗はない」でワースト2位となっています。
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●そのほか日本の特徴としては、働き続けたい年齢が63.2歳で最も長く働きたいという意
向を持っています。これに韓国の62.0歳、オーストラリアの60.5歳が続いています。
一方、最も働き続けたい年齢が低かったのはマレーシアの53.9歳でした。
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●日本は勤務先に関する満足度が低く、「会社全体」に満足している人の割合は52.3%、
「職場の人間関係」は55.7%、「直属の上司」は50.4%、「仕事内容」は58.2%で、
すべて最下位でした。
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●今の勤務先で働き続けたい人の割合を見ると、日本は52.4%で最下位。
一方で、日本の転職意向は25.1%で最下位。
勤め続けたいとそれほど思っていないが、積極的な転職も考えていないという状況で
す。
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●一方、日本は転職後に年収が上がった人の割合が43.2%と最も低くなっています。
ですが、日本以外は6割以上が年収アップしています。
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パーソル総合研究所では、日本だけが「一人負け」といってよい特異な数字が出た調査結果になったと分析しました。
今後、日本はどうなるのでしょうか?
ここ数十年の間に、日本人の仕事に対する意識は大きく低下したのでしょうか?
この結果を見ると、日本の現状を垣間見ることができます。
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