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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

どこの企業にもいる困った営業マン


営業コンサルタントとして独立してから23年が経過しようとしている。

様々な業種と規模のクライアントとお仕事を一緒にさせていただいたが、最近、あることを発見した。特に社歴の長い老舗企業に見受けられることだ。弊社クライアントは、営業チームが必ずある。営業チームとは所謂「営業部」のことで、営業活動を専門で行うチームだ。そこで今日は、営業部でありがちなことをわかりやすく解説する。



たとえば、営業マンが10人いたとする。

その中で、ずっとトップセールスの座を守っている営業マンがいる。実はこのような営業マンが困ったちゃんなのだ。本人たちは自分の営業活動に、やりがいもプライドも見出しているのでまったく問題はないが、会社にしてみると大きなリスクを抱えることになる。会社全体の売上にどの程度貢献しているかにもよるが、私が聞いた中で最高だったのが、営業マン1人で会社の売上の8割を占めている営業マンがいた。



社長に「この営業マンが辞めたらどうしますか?」と質問したところ、「心中するしかありません」と答えたのが印象的だった。つまり、この営業マンの調子如何によっては、会社がどうなっても仕方ないということだ…。



なんとも恐ろしい話なのだが、このような企業もあることだけは知っておいてほしい。

また、社長がこのような気持ちだから、トップ営業マンも意気に感じて、がんばろうという気になるのかもしれない。

さて、このようなトップ営業マンの特徴を紹介しよう。



①多くの既存顧客を持っていて、すべて自分で抱え込んでいる

②営業部の中でトップの成績を長い間キープしている

③やり過ぎというほど仕事をする

④会社のルールを無視して、自分の営業ルールで行動している

⑤会社の方針を守らない(会社の言うことを聞かない)

⑥自分の顧客を部下に手放せない

⑦営業が上手い、仕事ができる

⑧自分が辞めたら会社が大変なことになるという自覚がある(自分は会社にとってなくてはならない存在であると思っている)

⑨部下の育成ができない



以上のような特徴があるが、あなたはどう思われただろうか?なかなかの困ったちゃんである。



不思議なことに、このような営業マンがいる会社の経営陣は、「困った。なんとかしなきゃ!」と言いながらも、何も改善されていないというのが現実です。つまり、ほぼ野放し状態です。経営陣に詳しい話を聞くと、「本人には何回も言っているんだけど、言うことを聞かない」ということらしいのだ。時々、言っただけで仕事の価値観ややり方が変わるのなら、誰も苦労はしない。



また、既存顧客もこの営業マンとは長い付き合いなので、非常に仕事がやりやすい。

だから、下手に営業マンを変えてしまうと取引額が減ってしまうということが起こる可能性もある。もちろん、本人もこのようなことは重々承知なのだ。



結局のところ、トップ営業マンは会社全体の業績の影響度が大きいので、経営陣も彼らに対して何も言えないというのが本当のところだ。鼻を曲げられて、辞表でも出された暁には、一気に業績が下がるのではないか…。ライバル社に就職されたら大変なことになる…など、目先の業績をコントロールできるハンドルを彼らが握っているからこのようなことが起こる。しかし、会社というのは代わりはいくらでも出てくるし、残ったメンバーで何とかできるのだ。




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