昨年の年末、衝撃的なニュースが日本国中を駆け巡りました。
年が明けて仕事はじめの1月6日、朝のワイドショーではこのニュースでもちきりでした。
そのニュースとは、日産の元会長カルロス・ゴーンのレバノンへの逃亡劇です。
まるで映画のように鮮やかな逃亡でした。
善悪で判断したら悪いことですから褒めている場合ではないのですが、普通の神経では絶対にやらないだろうということを、やってのけたのですからある意味、凄いことだとも言えます。
日産の社員の気持ちを考えると、凄いなんてことは言えませんが、誰も考えないようなことを計画して、それを実行して、成功させたのですから、どう考えてもカルロス・ゴーンは尋常ではありません。
もし私がカルロス・ゴーンであれば、あのような逃亡計画は考えません。
そもそも、成功するとは思えないからです。
誰が考えてもそうです。
ゴーンの経歴を紐解くと、1999年3月、当時経営と財政危機に瀕していた日産がルノーと資本提携を結び、同年6月、ルノーの上席副社長であったゴーンが、ルノーの上席副社長を兼任しつつ、日産の最高執行責任者に就任しました。
その後、日産の社長兼最高経営責任者、ルノーの取締役会長兼CEO、ルノー・日産アライアンスの会長兼最高経営責任者に就任しています。
当時のゴーンは、「コストキラー」という異名で呼ばれていました。
日産の最高執行責任者に就任したゴーンは、再建に向けて社員とともに「日産リバイバルプラン」を作成しました。
結果、短期間で日産の経営立て直しを果たし、2003年のフォーチュン誌は、ゴーンを「アメリカ国外にいる10人の最強の事業家の一人」と称しています。
また、2013年6月から2016年6月には、ロシアの自動車メーカのアフトヴァースの会長も務めていました。
さらに、2004年に外国人経営者として初めて藍綬褒章をも受章していまし、同じ年に法政大学名誉博士にもなっています。
2005年には早稲田大学からも名誉博士号を授与されています。
このような実績に対して「企業改革経営者及び新事業挑戦者内閣総理大臣表彰」も受けています。
圧倒的に輝かしい経歴です。ここまでの経営者はそうそういません。
なぜ、ゴーンはレバノンに逃亡したのでしょうか?
奥様と一緒に居たいのか、それとも日々監視されている日本の生活に嫌気がさしたのか、はたまた無実を証明するためなのか…。
逃亡の理由は、恐らく全部でしょう。
私なら潔く、裁判を受け判決に従います。
ほとんどの人がそうでしょう。
もう、逃げようがないと思うからです。
それでも、ゴーンはそうではなかったということです。
少しでも逃亡できる可能性があるプランをいくつか練っていたでしょう。
その中から、一番可能性の高いプランを選択したはずです。
そして、絶対に見逃してはいけないのは、逃亡の手助けをする人脈があったということです。
もちろん、彼らに支払うだけのお金も必要です。
整理すると、まずは絶対に逃亡してやるという強靭な意思と諦めない心が必要です。
次に、逃亡計画やアクションプランを実行する人脈があったということです。
さらに、お金です…。
誰しもが諦めてしまうようなことを平然とやってのけるゴーンだから、日産の再建もできたのではないかと思ってしまいます。
罪になるようなことをやっているのですから、明らかに悪い人です。
ですが、ここから学ぶことがあるとすれば、非常識なことを計画して、実行できる能力があることです。
世界の一流には必ず必要な能力です。
問題は、良い方に使うか、悪い方に使うかです…。
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