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コロナ禍を乗り越えた企業戦略


コロナ禍から2年11ヶ月。 私たちの生活やビジネスのやり方は大きく変わりました。また、いまだにコロナ禍以前の業績に戻っていない企業も数多くあります。特に、観光業とその周辺産業です。ところが、コロナ禍の大ピンチを乗り越えて成功した企業もあります。そこで今日は、観光業でコロナ禍を乗り越えた事例をわかりやすく解説します。



思い起こせば、日本で新型コロナウイルスが連日テレビで報道されるようになった2020年2月、私はある旅行代理店の取引先の会合で講演をやらせていただきました。全国の旅館やホテル、交通会社など100社近くの人が参加されました。このまま新型コロナウイルスが蔓延すると大変なことになると、危機感を募らせていたので今でも思い出します。



そして、心配していたことが現実に起こりました…。

その後、観光業を盛り上げようと政府も施策を講じましたが、何度にも渡る新型コロナウイルス感染者の増加で、いまだに業績は戻っていません。



そんななか、観光業の周辺産業として「旅行情報誌」があります。

そのなかのひとつが、海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」を発行している学研プラスです。1979年の創刊以来、世界各地を紹介する旅行ガイドブックが計100タイトル以上もリリースされています。それまでの旅行ガイドブックは観光スポットの紹介がメインでしたが、個人旅行者を念頭に現地での移動や滞在手段のガイドを中心に据えた構成でした。



海外旅行しかやっていない地球の歩き方は、売上9割減に見舞われ、多くのガイドブック出版社のなかでも壊滅的打撃で絶望的でした…。ところが、コロナ禍を味方につけて発想を転換して生き残りました。



まず取り組んだのが「図鑑シリーズ」の発行です。

創業43年、これまでに海外取材した膨大な画像やテキストがあります。これが大きな強みになりました。この資産をガイドブックではなく、図鑑にすれば海外旅行に行かない人でも読んでくれるのではないかと分析しました。



「世界のグルメ図鑑」「世界のすごい島300」「世界197ヵ国のふしぎな聖地&パワースポット」など、これまでのストック資産を再活用して図鑑シリーズを発行しました。これがヒットしたのです。さらに、「地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険」「地球の歩き方 ムー-異世界の歩き方」など、おもしろい企画も出版に至りました。



次に取り組んだのが「国内旅行ガイドブック」への新規参入です。

それまでは海外旅行に特化していましたが、そのノウハウを使えば国内旅行のガイドブックの企画・編集はかんたんにできます。そこで、地球の歩き方のような国内旅行ガイドブックを発行しました。まず東京編を発行して大きな話題となりました。その後、京都編や北海道編なども発行しています。



このように地球の歩き方は、特に新しいノウハウやスキルを取得するわけでもなく、新たな設備投資をするわけでもなく、コロナ禍を乗り越えました。やったことは、社内に眠る資産とノウハウを活かして、ターゲットを変えたことです。



ひとつは、海外旅行には行く予定がないが海外のことを知りたい人。

もうひとつは、国内旅行をする人のガイドブックです。いずれも、コロナ禍以前のターゲットとは違います。ですから、新しい商品をリリースしたという感じです。しかし、いままで当り前だと思っていた自社の事業が、ほかにも活かせるとことを実証したのは、企業として新たな可能性が一気に広がりました。



コロナ禍で投資やマルチ商法をやるのではなく、今までに培ってきた自社の資産をどう活用するかを考えることから始めると良いと思います。これはあらゆる企業に当てはまります。




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