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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

チャンスを逃してしまう原因とは?


人間や動物の大きな特徴として、経験を蓄積して、そこからパターンや法則を

見つけ出すことです。

そして、同じようなシチュエーションに遭遇したら、ゼロから判断するのではなく、

経験則から素早く判断します。



この能力によって、意思決定する時間を大幅に短縮できるほか、

脳への負担を軽減させることができます。

つまり、この能力がなければ、毎日がゼロからのスタートということになります。



ですが、この能力はプラスに働くだけでなく、私たちの足を引っ張ることになります。

そこで今日は、経験や思い込みの罠についてわかりやすく解説します。



私たちは、あらゆる事象を決めつけてしまいます。

たとえば、「あの人は、○○な人間だから、何を言っても無駄だ」

「自分は○○な人間だから、○○は苦手だ」などです。

このように感じるのは、過去にそう思わせる出来事に遭遇したからです。

そして、このイメージを変えることは至難です…。



また、文化がそうさせることがあります。

たとえば、母親だから子育てを一生懸命にやらなければいけない、

男性は人前にで涙を見せてはいけないなど、何の根拠がないことに対しても、

子どもの頃からそう言われていたという理由だけで、それを貫こうとします。



逆の言い方をすれば、それ以外の意見を排除してしまうのです。

これを心理学で「一貫性の原理」と言います。

自分の行動に一貫性をもたせたいという心理です。



一貫性の原理が働く理由は、

①こういう時はこう行動するというように自分の行動をパターン化して

一貫性を持たせると面倒な選択の機会を減らすことができます。

②一般的に、発言が二転三転して一貫性がない人は信頼できませんから、

一貫した行動をすれば理性的な人だと思われます。

さらに、自分で決めたことを、最後まで諦めることなく貫くことができないと、

ダメな人間だと思ってしまいます。



また、周囲の人も「挫折した人」とみなす傾向にあります。

これに関しては、脳科学でも解明されていないそうです。



ですが、よく考えてみれば、自分の考えにまったく揺るぎない自信を持っている人は

稀です。人はだれでもブレてしまいます。

昨日までと逆のことを言ってしまったら、つまり一貫性がなくなったら

周囲からはバッシングされます。

政治の世界や芸能界ではよくあることですが、イメージが悪くなります…。



どうやら私たちは一貫性を保持すること=一貫性は善という価値観が

生まれつき備わっているようです。



また、「こうあるべき」「あるべき姿」など、理想の姿やイメージを

ことのほか大切にする人もいます。

あまりにその思いが強過ぎるとそれが正義感に繋がり、

考え方や価値感の違う人を悪として排除することになります。



このように一貫性の法則は、ネガティブな捉え方をすれば融通が利きません。

時代を見渡すと、今は日々変化しています。

むしろ、一貫性の法則が足かせになる場合も多々あります。



コロナ禍で対面営業ができないにも関わらず、

「オンライン商談など本当の商談ではない!」「オンライン商談では伝わらない!」

などと言っていたのでは話になりません。

確かにその通りなのかもしれませんが、これでは環境の変化に適応できません…。



いずれにせよ、「経験」「思い込み」「理想」「ルール」「パターン」などがあるために、

私たちはそれを盲目的に信じて行動してしまいます。

何も考える必要がないので大変に楽です。

ですが、「経験」「思い込み」「理想」「ルール」「パターン」が通用しないのが、

今という時代です。




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