昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で、リモートワークやテレワーク、オンライン化が大幅に進展しました。 そのおかげで、移動コストが削減する一方、社内コミュニケーションが円滑に機能しなくなったという話しも課題となりました。 コミュニケーションが円滑でなくなると、なんとなくチームワークが悪くなるのではという心配が…。 そこで今日は、チームワークを高める方法をわかりやすく解説します。
数年前、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学、ユニオンカレッジのチームが、会議の参加者には測定可能な「集団的知性」があるかどうかについての検証を試みました。
集団的知性とは、多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能や精神が存在するかのように見える知性のことを言います。 諺で「三人寄れば文殊の知恵」がありますが、これは、三人集まれば、一人で考えるより色々なアイデアが集まり良い知恵になる、という意味です。
つまり、「集団が個々の能力の集合だけでなく、それ以上の知恵を生み出せること」になります。
もちろん、その逆に「集団になって、個々の知性が減衰・欠落する」という現象も起こります。
前述の集団的知性の検証は、約700人を小グループに分け、思考のさまざまな側面を測定するための課題を与えました。
その結果、重要な発見が2つありました。
ひとつは、成績が良かったグループは、すべての課題で良い成績を上げる傾向がありした。 一方、成績が悪かったグループは、すべての課題で成績が悪い傾向がありました。
もうひとつは、個人の知性がグループのパフォーマンスには直接的な影響を与えなかったことです。
つまり、際立って頭の良い人がメンバーに含まれていても、それだけではグループ全体の成功は保証されなかったということです。
では、どのような要素がグループのパフォーマンスに影響を与えていたのかといえば、ことさら重要だったのは、メンバー同士のコミュニケーションの方法でした。
パフォーマンスの悪かったグループは、1人か2人のメンバーが主導権を握っていましたが、パフォーマンスの高かったグループは、民主的で全員が同じくらい意見を述べていました。
平等に発言するグループには、高い集団的知性が見られました。
全員が発言することで、多角的な意見が得られ、それに基づいて全員で考察をするからです。
ところが、1人または限られた数のメンバーのみが発言しているグループでは集団的知性が発揮されていないことがわかりました。
また、パフォーマンスの高かったグループは、「社会的感受性」が高いということもわかりました。
メンバーがお互いの非言語的な情報を読んで、相手の考えを察知して、それにあわせて行動していたのです。
そうすることで、メンバーを威圧するような発言をする人や、萎縮したメンバーが発言を控えるようなことがありませんでした。結果、良いアイデアが失われるようなことがなかったということです。
そして、このようなことは、リアルコミュニケーションだけでなくオンラインコミュニケーションでも有効だったことです。 オンラインでもリアルでも、成績の良いグループの特長は同じだったということです。
つまり、①コミュニケーションが活発なこと、②平等に発言できること、③相手の感情を読む能力があることの3点です。 このような環境を作ることは、経営者の仕事であり、企業文化として根づかせることが重要です。 ●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
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