先日、気になるタイトルの本を見つけました。
その本は、「2025年、人は買い物をしなくなる」というタイトルです。
帯には、「次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃」と書いてあります。
また、「日米中でのEコマースとマーケティングの専門家が衝撃予測!」とも書いてあります。
そのキーワードは、「店舗数減少」「DtoC」「Eコマース」「Amazon」「5G」「AI」などが挙げられています。
それにしても、人は買い物をしなくなるというのは、少し大袈裟な表現だと感じていたのですが、本書を読み進めていくうちに、2025年より先に買い物をしなくなると思うようになりました。
今から11年前のことになりますが、「嫌消費世代の研究」という本が出版されました。
この本の帯には、「クルマ買うなんてバカじゃないの?」という強烈なひとことが書いてありました。
要約すると、若者が物を買わなくなっているということです。
つまり、消費行動の変化について考察したものです。
分析してみると「低収入」「格差」「非正規雇用の増加」以上に深刻な独特の心理=「劣等感」が強く影響しているといいます。
「収入が十分あっても消費しない」傾向を「嫌消費」と名付け、大規模な統計調査と聞き取り調査をもとに、「嫌消費」を担う世代=20代後半の「買わない心理」の原因と深層を紐解いたものです。
現在、40歳前後の世代が嫌消費世代ということになります。
消費しないという価値観は、今から10年以上前に兆候があったということですが、「20
25年、人は買い物をしなくなる」は、テクノロジーがそうさせるということなのです。
人間の買い物という行動を観察すると、著書の望月智之さんは「ここ100年は棚の奪い合いだった」と表現しています。
これは、リアル店舗であれば、商品を陳列する什器があります。
この什器に自社商品をどれだけ多く陳列するかで、売上が決まったといっても過言ではありません。
スナック菓子であれば、できるだけ什器の占有率を高めるために、同じ商品でも味のバリエーションを数多くつくるのです。
その後2000年からは、棚の奪い合いはネットに移行しました。
Amazonや楽天などのモールの中で、どれだけ露出率を高められるかが勝負の鍵となりました。
Amazonの「ほしいものリスト」も棚のひとつです。
これは、ユーザー自らが構築する棚です。
そして今は、スマホのアプリです。
ネットショップを運営している大手ならば、スマホのアプリを提供しています。
そのアプリがスマホのメインスペースにあるかどうかが問題なのです。
隅に追いやられていたのでは、アプリを立ち上げる可能性は少ないでしょう。
これを著者は、「デジタルシェルフ」と呼んでいます。
では、なぜ人は買い物をしなくなるのでしょうか。
商品を購入するには様々なプロセスがあります。
たとえば、商品の品質や機能を調べて比較します。
購入する商品が決まると、どこが安いお店なのだろうかと探します。
そして、手に取って触ってみて購入を決定します。
さらに、高額商品であれば支払いをどうするのかを検討しなくてはいけません。
このように買い物を完結させるには、労力と時間がかかります。
ところが、リアル店舗からネットショップ、さらにスマホへと移行するなかで、買い物のプロセスがどんどん楽になったり、省略されたりして労力も時間をかけなくても購入できるようになったのです。
Amazonなど、数秒で買い物が完結します。
何の苦労もなく買い物ができるのです。
しかも、AIがあなたに最適な商品をリストアップしてくれるようになります。
さらに、サブスクで定額〇〇し放題が当たり前になります。
こうなると買い物という概念が音を立てて崩れます。
商品やサービスを入手する時間が、どんどん短縮されています。
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