「どうしたら社員がやる気になるのだろうか」「どうしたら社員のモチベーションが高くなるのだろうか」「どうしたら社員が自主的に行動してくれるのだろうか」、このように思っている経営者はこのほか多い。やる気やモチベーション、自主的などなくても、平均以上の仕事ができるような仕組みを構築している経営者もいる。そこで今日は、仕事の効果が倍増するやる気の高め方についてわかりやすく解説する。
経営コンサルタントとして、名を直馳せた舩井幸雄によれば、人からやってくれと言われてやる仕事の効果を1.0とすると、人からやってくれと言われて積極的かつ喜んでやると仕事の効果は1.6倍になると言う。そして、人から言われる前に自分から率先して仕事やると効果は1.6の二乗=2.56倍に跳ね上がる。しかし、そんなことが簡単にできるようだったら、誰も苦労しない。そもそも、人から言われる前に自分から率先して仕事やる社員をどうやって育成したらいいんだという疑問がわくだろう。
そして、多くの経営者がこれを実現しようといろいろなチャレンジをしている。
たとえば、「会社のミッションやビジョンを明確にして社内に浸透させる」「ティール組織のように社員に権限委譲して、自由を大切にする組織を構築する」「1on1ミーティングを行う」「ありがとうカードなど、社内がポジティブな空気で溢れるような仕組みを作る」などだ。しかし、どれも効果があるようなないような…である。
というのも、どのような社員が在籍するのかによっても大きく変わるからだ。 そうなると、どれだけ優秀な社員を採用できるかが大きな課題となる。しかし、これではすべての要因は社員の資質にあるということになってしまう。中小企業には、まず不可能だ。やる気があり、能力もある人材は大企業を目指す。さらに、かつてのように大企業より中小企業の方が可能性があっておもしろい、というような人材も大幅に減り、むしろ、中小企業に入社して苦労したくないという若い人が多いのが現実だ。このように、中小企業の未来は絶望的だ…。
そのなかでも、唯一光明を見出せるもの、それがこれから私が紹介する方法だ。
社員はそれなりにやる気になり、自らすすんで仕事もするようになる。さらに売上と利益も拡大する。それは、「顧客インタビュー」だ。薄っぺらいアンケート形式のお客様の声収集ではない。特に、法人向け商品や高額商品を扱っている中小企業は今すぐやるべきだろう。
会社のなかで、営業マン以外は顧客の声を直接聞くことはない。
つまり、顧客からの褒め言葉も、クレームも直接聞くことがない。これは営業マン以外の製造、経理、総務、商品開発、配送、そして、経営陣などが該当する。しかし、製造現場のオペレーターが、顧客から直接褒められたらどうなるだろうか?経理担当者が、顧客から助かっているって言われたらどうなるだろうか?
少なくとも、上司のみえみえのお世辞より、数百倍嬉しいに決まっている。
「自分は顧客の役に立っている」「自分の仕事には意味がある」ということを実感するに違いない。経営者が喉から手が出るほど欲しい、やる気があってやりがいを持った社員が増産されるのだ。そして、顧客視点で仕事ができるようになる。
ミッションやビジョンも大事だが、これは単なる理屈なので、感情が刺激されることはない。もっと大事なのは、直越、顧客の話に耳を傾け、顧客の口から本音を聞くことだ。当然、良い話ばかりではなく、悪い話も聞くことになるが、それは改善すればいいだけのことだ。さらに喜ばれる商品をリリースでき、結果、業績が伸びるだろう。
顧客インタビューは顧客の許可を得て記事化して、社内で回覧する。
社内回覧用記事があれば、社員全員が読むことができる。顧客がどう感じているのか、どう思っているのかを社員全員が共有することによって、組織は前向きなエネルギーを放つことになる。また、営業ツールとして使うこともできる。売上と利益を生み出す効果もある。
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