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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

初頭効果と親近効果の活用法


心理学には、「初頭効果」と「親近効果」と呼ばれるものがある。

初頭効果とは、第一印象で抱いたイメージがその後も続くというもの。一方、親近効果とは、一番最後のことを覚えているという効果だ。実は、営業活動も、一番最初と一番最後が非常に重要なのだ。そこで今日は、営業活動における最重要ポイントをわかりやすく解説する。



第一印象が重要なことは、誰しもが理解しているが、その理由を問われると、明確な答えを知っている営業マンは意外と少ない。第一印象が重要な理由は、第一印象で悪いイメージを与えてしまうと、そのイメージがその後の人間関係にも影響を与えるからだ。ということは、第一印象で好印象を与えることができれば、「この人はいい人だ!」「この人は清潔感のある人だ!」「この人は誠実だ!」というイメージが継続することになる。



そして、ポジティブなイメージが継続すれば、あなたの話を聞き入れてもらいやすくなるし、人間関係も良好になる。つまり、初頭効果に成功するのが、営業活動成功の第一歩だといっても過言ではない。



その一方で親近効果は「一番最後のひとことが印象に残った」「一番最後のことが気になった」など、一番最後のアクションをよく覚えているという心理だ。これに関しては、映画やドラマなどでも親近効果を活用したものがある。実は、営業活動でも、一番最後の別れ際に一番言いたいことや一番重要なことを伝えるテクニックがある。



たとえば、見込客と商談をしていたとする。商談が終わった帰り際、「そういえば、一番重要なことをお伝えするのを忘れていました。今回ご紹介した〇〇はメーカーの生産台数に限りがありますので今週中には発注をお願いします」というようなフレーズを言う。



このフレーズは、商談中にも伝えるが、このほかにも様々なことを伝えなくてはいけないことから、ほかの情報に埋もれてしまう可能性がある。そこで、親近効果を利用する。一番最後に、このワンフレーズを伝えることにより、確実に相手の記憶に残すことができるのだ。以上が、初頭効果と親近効果の違いだ。



営業活動に当てはめると、第一印象はものすごく重要だが、最後もものすごく重要だ。

そこで商談の最後は、次回アポイントを獲得するか、顧客に宿題を出して期限を設けて次回の商談も継続させる。



たとえば、初訪での商談を終えて、次回提案をさしてもらうことになった時、よくあるパターンとして、「提案書が出来ましたら改めてご連絡させていただきますので、その時に日時を決めましょう」と言う営業マンだ。新規の場合、これではアポイントを獲得できる確率がグンを低くなる。



そこで、「次回ご提案をさせていただきますので、〇月〇日の◯時からはご予定いかがでしょうか?」と候補日を提案してアポイントを獲得しなくてはいけない。



また、見積りを提出したのであれば、見積りの期限をしっかりと設けることだ。

最悪のパターンは、「ご検討ください」と言うフレーズだ。これでは、相手から電話がかかってくることはまずない!そこで、「本日、お見積りを提出させていただきましたが、検討の結果は今週中にはおわかりになるでしょうか?」と質問して、検討結果を聞くアポイントを獲得する。そうすることで、商談のフェードアウト、受注の遅れなどを回避することができる。商談の最後はこのような締め方をするのが正解だ。



「うちの会社は営業力あるんです!」という企業のコンサルを数社やらせていただいたことがあるが、初頭効果も親近効果もイマイチだった。営業力が強いというのは、ニーズが低い顧客のニーズを高めて受注にまで持っていくものではなく、今すぐ客だけを相手にしていた。つまり、購入することが決まっている顧客だ。



しかも、今すぐだ。

当然、確度の高い見込客なので受注率は高くなる。あとは、競合との相見積りとなった場合、どう対処するのかだ。相見積りが多くなれば、接戦をを制する力が強いということで、これば価格をコントロールできればなんとかなる。ニーズの低い顧客を買う気にさせるわけではないので、営業マンは楽だとも言える。




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