営業コンサルをやっていて、特に最近多いのが営業マンからの相談だ。
一時的な軽い悩みから、毎日継続する深刻な悩みまで様々だが、なかには、これは完全にアウト!だと思われる「パワハラ」がある。営業マンが直属の上司や社長からパワハラをされているということなのだ。そこで今日は、営業マンへのパワハラについてわかりやすく解説する。
私は労務の専門家でもなければ、カウンセラーでもないので、営業マンの悩みを聞くだけになってしまうことが多いが、ひどく虐げられているケースも少なくはない。最近多い相談が、「社長や営業部長が1日に何回もLINEなどをしてくるケースだ。
悩みの内容は…「あの案件はどうなった」「見積りは出したのか」「いつ契約になる」「今月中に契約頼むぞ」「もっと高額商品を売り込め」「今月は本当に目標達成できるのか」など。ここまでは、営業会議でもある話だが、こんなのが1日に10回も20回もLINEできたらストレスは相当なものだ。また、対面だと言葉のほかにも、表情や態度が加わりますから、威圧感はウン十倍も増す。
そして「そのやり方じゃ、ダメだっていっただろう」「何回、同じ失敗を繰り返すんだ」「目標を知っているのか」「こんな安い商品ばかり売ってどうするんだ」「今日の訪問先を言ってみろ」「今週、必ず500万円売ってこいよ」「目標達成するまで帰ってくるな」「目標未達者は自爆しろ」「お前は本当にダメだな」など、本誌で紹介できるのはここまでで、これ以上は危険です。
LINEではなく電話に関しては、回数が多いというよりも、1回の通話時間やタイミングが問題のようだ。
一番酷いケースは、営業部長から電話がかかってくると、平気で2~3時間は詰められて説教されるというケースだ。まったく時間も気にせず、朝の6時や夜9時過ぎでも平気で電話をかけてくる社長もいるというから驚きだ。完全に社員を私物化している。これでは、営業マンは売上獲得マシーンと化してしまう…。
そして、「やる気はあるのか?」「察しが悪いヤツだな!」「営業の才能がないよ!」「もっと勉強しろよ!」と、一方的に営業マンの責任にしてしまう。このような状況のなかで、ポジティブな気持ちで営業をしろと言われても無理だろう。
かといって、年齢が年齢だけに辞表を出すわけにもいかず…、40代後半から50代の営業マンは、今の会社を辞めたら雇ってくれるところがないと思っている。そこにつけ込んで、無理難題を言う社長もいるわけだ。
しかし、このようなパワハラに対処するための方法はいくつか存在する。
まず、重要なのは、自分がパワハラを受けていると認識し、その状況を誰かに伝えることだ。信頼できる同僚や人事部、必要であれば社外のカウンセリング機関に相談することが重要だ。
次に、パワハラを行っている上司や社長に対して、その行為がいかに不適切であるかを伝えることも重要である。これは非常に難しいことかもしれないが、具体的な例を挙げて、その行動が自分やほかの社員に与える影響を具体的に伝えることが有効だ。また、パワハラが業務の効率や社内の雰囲気に悪影響を与えていることを指摘することも必須だ。
さらに、組織内でパワハラに対する明確なガイドラインを設け、パワハラの定義とその影響について教育を行うことも重要だ。これによって、パワハラを行う人が自分の行動が不適切であることを自覚しやすくなる。
また、パワハラを受けている社員が、自分自身を守るために行動することも重要である。
たとえば、パワハラの事例を記録し、証拠を集める。これによって、将来的に訴訟や社内調査が行われた際に、自分の主張を裏付けることができる。
最後に、パワハラに対する社会的な認識を高め、従業員や管理職がこの問題について話し合い、解決策を模索する機会を設けることも大切である。組織内で開かれるワークショップやセミナーなどを通じて、パワハラの問題について話し合い、それぞれの立場からの視点を共有することで、問題解決に向けた第一歩を踏み出すことができるだろう。
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