失注の最大の原因とは?意外だった…
- 社長の大学★長谷川博之
- 2024年5月23日
- 読了時間: 4分

よく「失注の原因を確かめろ!」と言われるが、実際に見込客に確認している営業マンはごくわずかだ。ですから、「価格が高い」「競合に負けた」「ニーズが弱かった」など、一般的で誰にでも思いつくようなことが原因だと思い込んでいる営業マンがほとんど。しかし、現実はどうだろうか。そこで今日は、見込客が購入しない原因についてわかりやすく解説する。
先日、営業についての面白いリサーチデータを読んだ。
これは、セールス・ベンチマーク・インデックス社が実施した「営業で制約に至らない理由」について調査したものだ。第1位は何だと思うだろうか?これは意外だった。言われてみれば当たり前、しかし、営業マンが気づかないことなのだ。
堂々(?)第1位は、「競合に敗れる」という理由ではなく「現状維持」の結論に至ったというものだった。ということは、競合から購入しているというわけではない。しかし、多くの営業マンは、競合に負けて契約できなかったと思い込んでいるのだ。現実には「現状維持」が本当の失注の理由だ。
では、なぜこのようなことが起こるのだろうか?
商談をする時間も大変もったいないし、商談するために労力まで投じているわけだから、非常に不思議な現象だ。人間は本能的に何か新しいものを受け入れたり、今やっていることを変えるということ、つまり習慣を変えることに対して抵抗感を示すのが一般的だ。
「今までやってきたことを変える」というのは、相当なエネルギーが必要だからだ。
つまり、そこに負荷がかかることになる。さらに、経営では新しい取り組みをはじめたりすることは、お金も時間も労力もかかる。「もし、失敗したら」という不安もある。それに対して、現状維持は一見何も問題がないように思えるうえに、何も新しいことをしないから、1番楽な選択肢であるのだ。
人間は根本的には「できることなら楽をしたい」と考えている生き物だ。
だから、本能的に楽な方に流されてしまうことが多い。つまり、あなたが商談の時に1番意識すべきことは、競合の商品やサービスとの優劣ではなく、商談相手の「今のままで大丈夫。現状に特に問題は感じていない」という気持ちを変えさせることだ。
では、どうすれば相手の現状維持の気持ちを変えさせて、新たな行動を促すことができるのだろうか?
1番簡単な方法は、見込客に危機感を抱かせること
だ。そのためには、現状維持を続けることの危険性を認識させ、それに対して行動起こさなければいけないと思わせることがポイントとなる。つまり、現状維持の苦しみが変化の苦しみより大きいと気づけば、見込客は商品を買ってくれるという理屈だ。
では、どのようなアプローチをすればいいのだろうか?
これは、商談におけるヒアリングのひとつのステップとして非常に重要だ。
===========================================================
①まずは、見込客が直面している問題や課題をヒアリングする。 ポイントは、見込客に自分の言葉で課題について話してもらうことだ。 そうすることで、問題や課題を自覚させることができる。 ===========================================================
②次は、何も変化せずに現状維持を選択した場合、その代償はどのくらいになるかを数値化
する。たとえば、営業マン一人当たりの今年の目標が1億2千万円で前年比20%アップだ
とすれば、昨年に比べて一人当たり2千万円増やさない限り目標達成できません。
現状維持だと一人当たり2千万円の損失となります。
しかし、新たな取り組みをすること、2千万円が上乗せになるとしたらどうでしょうか。
===========================================================
③問題を解決しないことで生じるリスクを自覚させる。
このまま状況が変わらなければ、どのような損失が考えられるのか、どのようなリスクが
あるのかということを自覚させます。
===========================================================
このように、現状維持をストップさせて新しい取り組みを促すスキルは、営業マンは必須です。
新人・若手営業マンのバイブル『60秒で学べる営業スキル大全集』発売中!
営業マンの課題を解決するトピックが360個あります。
ひとつのトピックは60秒以内で読むことができます。
●株式会社リンケージM.Iコンサルティングのオフィシャルメルマガの登録はこちら。
●YouTube「商いは門門チャンネル」の登録はこちら。
●社長の大学LINE公式アカウント! 経営に関する質問ができます! フォローはこちら!
Comments