営業マンの腕の見せどころは商談だ。 商談の中でも一番注力するパートは、提案をしてクロージングする場面だと思われている。そこに意識がいっている営業マンも非常に多い。また、営業マンのイメージとして、クロージングに長けていると思っている人も多い。しかし、本当にそうなのだろうか?そこで今日は、商談で注力すべき営業プロセスについてわかりやすく解説する。
ソリューション営業であれば、まず最初にヒアリングをする。
具体的には、相手にどのような困り事があり、どのような課題があるのかを明確にする。もちろん、既に自覚のあるものもあるし、まだ自覚はないが言われてみれば重要な課題だというような潜在的なものもある。この潜在的課題を引き出せるかどうかがヒアリングのスキルである。
そして、困り事、課題、問題を引き出せれば、それに対して優先順位をつけて、「過去にそれらを解決しようと取り組んだのか?」「もし取り組んだのであれば、その時の成果はどうだったのか?」「取り組んだことがないのであれば、このままほっとくとどのようなリスクやデメリットがあるのか」などを伝える。この部分はことのほか重要だ。今は大してリスクを感じていないが、1年後や3年後に取り返しのつかないようなことになるなんてことも珍しくはない。だから営業マンは、中長期的なシミュレーション能力を求められる。
ヒアリングが済んだら、次はこれらを解決するための商品やサービスの提案になる。
具体的な商品やサービスの機能や効果などを説明する。と同時に見積書を提示するのだが、ここでクロージングに入る。営業の一番の見せどころだ。と思っている営業マンは、失注の可能性が大だ。もしかして、私が何を言いたいのか意図がつかめないかもしれない…。
たとえば、先日ある中小企業と商談を行った。
この企業は、弊社が営業セミナーを開催するというので、お申し込みいただいた企業である。セミナーの後日、個別相談を行うために訪問した。このようなケースは今回が初めてではなく数多く経験したが、はっきり言って個別相談に移行した段階で見込客は6~7割方発注することを決めている。そんな見込客が8割以上だ。
ここで重要なのは、どのような課題、問題、困り事があるのかヒアリングをしっかりやり行い、整理して「ここが一番の問題です!」と提示することだ。これができた段階で受注確度は9割に高まる。ということは、注力すべきは、提案でも、見積もりでも、クロージングでもなく、それ以前に行われるヒアリングが重要だと言うことになる。つまり、ヒアリング如何によって確度が高くなったり、低くなったりもする。もし、確度が高くなるのであれば、この段階で見込客はほぼ発注することを決めている。だから、ヒアリングを適当にやり、提案だけに注力するのは愚の骨頂である。
実は、このことに気づいている営業マンはことのほか少ない。
言うまでもないが、見込客に対する事前の情報提供が多ければ多い程、「セミナー参加」「無料相談」「問い合わせ」をした時点で、もう依頼することをほぼ決めている。逆に、情報提供が少ないと、商談は長引くことになる。
私は昔から口を酸っぱく言っているが、定期的な情報提供は受注に直結するので、営業マンが考えている以上に重要なことだ。ここを怠ってしまうと商談で苦労をすることになる。多くの営業マンの理想は、確度の高い見込客を集めて商談することだ。これが実現する条件は質の高い情報提供しかない。弊社の場合、「本誌」「メルマガ」「YouTube」「LinkedIn」などがその役割を果たしている。
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