今年の3月、ワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパンが優勝した。
その後、しばらくテレビの情報番組ではこの話題で持ち切りだった。監督、コーチ、選手の口から裏話がどんどん出てくる。その中でも世の経営者が注目したのが栗山英樹監督の「選手を信じる」です。そこで今日は、部下を信じることについてわかりやすく解説する。
あるテレビ番組で侍ジャパンの白井ヘッドコーチが、栗山監督の人柄や指導方法などを間近で見てきたからこそわかる視点で紹介していた。白井コーチは栗山監督について、
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信じるという話はよく出るが、監督の凄いところは、信じるだけではなく、
任せるというところ。任せきる。そこが違うんですね。
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とコメントしていた。
恐らくこれに関して、反論する人はいないだろう。
その最たるものが、準決勝メキシコ戦の9回裏、村上選手に打順が回ってきた時、栗山監督が「思い切っていってこい」と伝令を送ったシーンだ。村上選手はその期待に答えてサヨナラヒットを放った。このヒットがなければ、侍ジャパンは決勝に進出できなかったかもしれない。
これを自社に置き換えてみると、経営者に「思い切っていってこい」と言われても「社運を賭けるような大事な場面を俺に任せるなよ」と尻込みするだろう。これが現実だ。それを意気に感じて俄然燃える社員は少ない。部下を信じて任せることは美しい話ですが、信じる方も信じられる方も実力を基準とした信頼関係がないと無理だ。情けや感情だけでは上手くいかない。
そもそもWBCの選手は、日本人の野球プレイヤーの中でも超超超超超一流だ!
しかも世界に通用するような選手ばかりなのだ。スキルのレベルが高いことはもちろん、モチベーションは高いし、マインドもしっかりしているし、セルフマネジメントもできる。さらに、誰もが驚くような実績もある。だからこそ、信じて任せても上手くいくのだ!
2009年、夏の甲子園で新潟県の「日本文理高校」が準優勝した。
その後、私はある経営者団体が主催した大井監督の講演に参加した。講演が終わって質疑応答の時、友達の経営者がこんな質問をした。
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選手のモチベーションを高くするために
何をやっていますか?
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この時、大井監督の回答は今でも鮮明に憶えています。
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うちの野球部に入部する生徒たちは、
そもそもモチベーションが高い子ばかりです。
ですから、特別モチベーションを高くするようなことはやっていません。
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甲子園常連校は、モチベーションの低い生徒は入部しないのだ。
続けて大井監督は、
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会社だとそうはいきませんよね。
モチベーションが低い社員もいますので、
モチベーションを高くするために何らかの対策が必要でしょう。
ですから私には経営者はできません。
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皆さんはどう思いますか?
プロの世界や実力第一主義の世界での出来事を鵜呑みにして真似をしても上手くいかないのは、そこに関わる人たちのレベルが違うからです。スキル、マインド、セルフマネジメントなどのレベルがバラバラだったり、ある程度のレベル以下だったりする場合、今回の栗山監督の考え方が適用できるかどうかは何とも言えません。
侍ジャパンの選手は、スキルは世界のトップレベルです!
マインドも並外れて強靭です!いちいち練習しろなんて言わなくても自らやります!
結果がすべての世界で一番評価されている人たちです!ですから、中小企業には、中小企業のやり方があります。
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