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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

至急…どうしてそうなるのか?

会社員時代、よく上司から「至急頼む!」と指示されました。

月1回程度あったと思いますが、至急の仕事が発生すると、私がしなければいけない仕事の計画が台無しになってしまいます。

突然、至急の仕事が最重要かつ緊急として割り込んで来るのですから、私の仕事はずれ込み、残業をするしかなくなります。



このようなことに慣れてしまうのはどうかと思いますが、スケジュール的に無理だと思っていたことも、なんとなくできてしまうから不思議です。

そういった意味では、現状維持バイアスを外すには有効です。



ですが、マネジメントとしては褒められたものではありません。

というのも、至急の仕事の大半は上司からの指示です。

部下としては、一番断りにくい人からの指示なのです。

最初は嫌な顔をしても、最終的にはやるはめになります。



至急の仕事の原因はいろいろありますが、「トラブル処理」「クレーム処理」「営業が急な仕事を受注」「上司からの指示」などが主なものでしょう。

私の会社員時代の至急の仕事は、「目標未達のために実施する販売促進」が90%以上でした。



上司から指示されるならまだいいのですが、時には社長から直に電話があり、指示をされたこともあります。

そういう話はたいてい「明日までに何とかしろ!」という、大変タイトなスケジュールなのです…。

至急ですからね。



部下としては、上司から急ぎの仕事を指示されるとこう思います。

「自分の段取りの悪さ、上司という立場を利用して、頼みやすい部下に解決させる」というイメージを抱きます。



時には「もっと早く指示できただろう!」という仕事もあります。

「なんで、もっと早く指示を出さないのですか?」と上司に質問すると「忙しそうだったから、一息ついてから頼もうと思っていたんだ…」と。

気を遣っているようで、実はまったく気を遣っていません。



すべての仕事が計画的に運ぶわけではありませんが、仕事というのは基本的に計画を立ててやるものです。

マネジメントというのは、起こりうるリスクや障がいを予測して、最小限に食い止めるか、回避する能力も重要です。

行き当たりばったりでは、マメジメントにはなりません。最近の言葉で言えば「最適化」です。



計画の最適化、時間の最適化、人員の最適化、仕事量の最適化など、組織全体を考慮して最適な方法を考えるのがマネジメントです。



至急という言葉を連発する人は、マネジメント能力、計画性に欠けているから、部下に指示を出して解決するのです。

至急という言葉は魔法です。

至急という言葉を使われると、今取りかかっている仕事を投げ出してまでやらなければいけないということです。



ですが、至急の仕事内容をみると、上司が自分の評価を優位にするための仕事だったり、上司の顔を潰さない仕事だったりします。



たとえば、「至急やってくれるという条件で仕事を受注してきた…」なんてことはよくあります。

また、社長に指示された至急の仕事を安易に受けるのは、自分の評価を上げたいためです。

なるべくであれば、至急の仕事にならないようにすることが上司のマネジメント能力です。

至急の仕事の指示が多い上司は、計画性、交渉力、説得力、自立性が劣っているといっても過言ではありません。



そもそも至急の仕事は、混乱をきたします。

特に指示を出された部下です。

今取りかかっている仕事のリスケジュール、急な仕事の段取りと作業などで、混乱してしまいます。



そして、焦ってしまいミスが出る可能性は大です。

そういったことも考慮するのが上司です。

ただし、至急の仕事がすべて悪いわけではなく、正当な至急の仕事もありますので、お間違えのないようにしてください。



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