若手営業マンの教育に苦労している中小企業は思っている以上に多いのが現実だ。 中小企業は、営業マニュアルや営業教育のカリキュラムがあるわけではないので、どうしても「見て覚えろ的教育」になってしまいがちだ。そこで今日は、若手営業マン、新人営業マンの教育についてわかりやすく解説する。
見て覚えろというのは、良く言えば「OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)」だが、似て非なるものだ。同じOJTでもどちらかといえば「お任せジョブトレーニング」だ。
新人営業マンに教えるポイントとしては、まずは営業の全貌を示すことにつきる。
営業は大きく分けると3つのパートから成っている。その3つとは、1.マーケティング、2.セールス、3.リピート促進。このなかで営業のメイン業務である商談はセールスに含まれる。
では、商談の流れを新人営業マンに教えるには、どのようにしたら効果的なのだろうか。
弊社もいろいろと試行錯誤した結果、商談の流れと必要なスキルを構造的に教えるのが一番効果があることがわかった。
商談は、1.名刺交換、2.アイスブレイク、3.アジェンダ、4.会社紹介、5.ヒアリング、6.解決策の提示、7.Q&A、8.次回アポイント獲得の流れになる。まずは、商談の流れと具体的なトークスクリプトを覚える。そして、それぞれのパートには、目的と目的実現のための必須スキルがあるが、これを教えない人が本当に多い。「これをやれ」と行動だけを教える。
たとえば、名刺交換の目的は、「自社の会社名、営業マンの名前、業務内容」など、基本的な情報を相手にわかりやすく伝えることと、好印象を与えることだ。ここで必要なスキルは、名刺交換スキルと好印象を与えるためのスキルに尽きる。名刺交換は、名刺入れから名刺を出すところから始まり、どのように交換したらいいのか、相手の名刺を受け取ったときどのようなリアクションをすればいいのかだ。
好印象を与えるスキルのベースになる考え方は、「メラビアンの法則」。
メラビアンの法則は初対面の際、相手に与える影響として、「視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%」というもだ。つまり、初対面の時、一番大事なのはビジュアルだということがわかる。身だしなみはもちろんのこと、笑顔や姿勢などが重要になるのは言うまでもない。
ビジュアルの次に重要なのが聴覚情報で、具体定位には話し方や声のトーン、話すスピードや声の大きさだ。これらに十分気をつけないと、相手に好印象を与える事はできない。名刺交換は早ければ30秒程度で終わるが、ここで必要なスキルは2つあるということだ。
このように、それぞれのパートにおいて、「実際にやる行動」「その目的」「その目的を実現するためのスキル」の3点セットで構造的に示すのがポイントになる。ただ単に「名刺交換をしろ!」だけでは、その目的も、どのようなスキルが必要なのかもまったくわからずに
やることになっしまう。
名刺交換スキルは、社会人の基本的マナーなので、先輩から教わると思うが、名刺交換の目的やその時のベースになる考え方を知っている人は少ない…。つまり、なぜその行動をやらなくてはいけないかをしっかりと理解することによって、頭でも理解し、体でも習得することができる。そうなって初めて人に教えることができるといっても過言ではない。そう、部下に教えることができるということだ。
部下を一人前に育てるのは上司の責任だが、どうせ育てるなら深く理解して行動できる営業マンに育てたいと思うのが親心だろう。そのためには、まずは教え方をマスターしなければいけない。日本の中小企業は、「教え方を教える」ということがスッポリ抜けている。
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