5千人者応募者を集めた伝説の求人広告とは?
- 社長の大学★長谷川博之
- 2024年8月11日
- 読了時間: 4分

中小企業の採用難は、益々困難を極めている。
人材不足は常態化しており、人手不足倒産も過去最高を記録したという。人材がいればもっと仕事を受注できるが、人材がいないために仕事を断っている、という中小企業もある。大きなチャンスロスだ。そこで今日は、採用の突破口についてわかりやすく解説する。
1900年、ロンドン新聞の片隅に、ある求人広告が掲載された。 話題を呼び5,000人もの応募者を集めたという。そして、5,000人の中から56名が選抜された。これはアーネスト・シャクルトン卿が、南極探検隊の隊員を募集したときの広告だ。この56名が2隻の船で、南極大陸横断に出発したのだ。これは、あまりにも有名な話であり、世界でもっとも古いリクルーティング広告の1つだ。 そして、その広告とは…
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求む隊員。
至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の日々。
絶えざる危険。生還の保証はない。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。
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このような広告は今の世に通用しないだろうが、当時の若者は、挑戦や自己実現を求めていたのだろうということは察しがつく。そして、このような若者がシャクルトン卿の求める人材だったのだろう。そういった意味では、この求人広告はシンプルで的を得たものであることがわかる。奇をてらってはいない。
この広告を見て、経営者として考えなければいけないことは、自社にもこのような強烈なミッションやビジョンはあるだろうか?ということだ。こんなことを突然質問されても、即答できる経営者はいないだろう。しかし、このような質問をされることによって、私たちの脳は覚醒するといっても過言ではない。
実は、戦後の日本からバブル期までは、日本企業には強烈な指針があった。
会社に入社すれば、年齢と共に出世して給料は上がり、社内恋愛で結婚して子どもが生まれる。小さいながらもマイホームを持ち、子どもたちは独立する。定年を迎えると孫ができて、年金で悠々自適に暮らすという指針だ。このような安定したプチ幸福に憧れた人材が就職することに価値を見出した。
しかし、今はどうだ。
会社に入社したところで、「あなたのことを一生面倒みるのは無理なので、副業も許します。その代わり、仕事は一生懸命に、効率的かつ効果的にやってね!」といった感じだ。 大企業はこれが本音だ。相変わらず、人材が辞めても代わりはいくらでもいるというスタンスだ。
さて、多くの経営者が、若い人が入社したら、人生はどうなるのか青写真を描けていない。 そもそも、人生を賭けるほどの価値があるのか?と思っている若い人がほとんどだ。また、会社もしかりだ。もう、仕事が楽しいだの、難しい仕事にチャレンジしたいなんて時代ではないのかもしれない。できることなら、仕事をしなくても済むなら仕事をしたくないという人も多いだろう。つまり、「仕事という概念の再構築」が必要だといっても過言ではない。
会社という、日本国民をプチ幸せにするための装置は輝きを失った。 そもそも、何のためにあるのか?すでに装置として機能を果たしていないのだろう。会社に勤めることに価値を見出すのが難しくなった証拠に、仕事のやり方、組織でのコミュニケーションなどが、どんどん複雑になっている。多様性がそれを加速させているのはいうまでもない。
同じ志を持った人材を集めるには、南極探検隊の隊員募集の新聞広告のようなメッセージは必須だ。しかし、そこに多様性はない。そうなると、ジャズのようなゆるい組織と仕事のやり方が求められるのではないかと思う今日この頃。 新人・若手営業マンのバイブル『60秒で学べる営業スキル大全集』発売中!
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