ドラッカーの著書を読んだことのある人ならば、おわかりだと思いますが、ドラッカーが誠実で真摯な生き方をした人だというのが伝わってきます。
ドラッカーの講演を聞いたことのある人によると、決しておもしろいものではなく、真面目に淡々と伝えるべきことを伝えるといった感じだそうです。
ドラッカーは私たちに、これからの企業経営、これからの社会がどのように変化するのかを鋭い視点で伝えてきました。
その中で、私が一番印象に残っているが「イノベーションのための7つの種」です。
この考え方こそ、今の時代にぴったりではないかと思ます。
そこで今日は、イノベーションのための7つの種をわかりやすく紹介します。
企業は、新しい事業や新しい商品を開発することで成長を続けることができます。
現状維持では衰退するだけです。
そのためには、イノベーションを起こすためのヒントが必要です。
ドラッカー曰く、それは7つあると言っています。
まずは、「予期せぬもの」です。
これは、予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ顧客、予期せぬニーズなど、想定外のことを指します。
想定外であることから無視される傾向にありますが、ここに新しい事業のや商品のヒントがある場合が多々あります。
次は、「ギャップ」です。
これは、需要が伸びているのに業績が伸びていない、売り手と買い手の価値観のギャップなどが代表的なものです。
たとえば、プリンは一人前ずつのサイズで販売されているのが当たり前の時代に、バケツプリンというバケツサイズのプリンが登場してヒットしました。
これなど売り手と買い手の価値観のギャップです。
三番目は、「ニーズ」です。いわゆる困りごとです。
新しい商品やサービス、テクノロジーの登場によって、必ず新しいニーズが発生します。ニーズは永遠になくなることはありません。
四番目は、「産業構造の変化」です。
2000年以降はITの進展により、産業構造は大きく変わりました。
また、ここにきて「AI」「ロボット」「クラウド」などのテクノロジーにより、さらなる変化に晒されます。
ここにも、新しい事業を生み出すチャンスがあります。
五番目は、「人口構造の変化」です。
人口が経済のサイズを決めます。
ですから、これから益々人口が減る日本は要注意です。
また、高齢者人口はまだピークアウトしてはおらず、高齢者市場は今後も拡大するでしょう。
人口、年齢別構成比、家族類型雇用、教育水準、所得などの変化はイノベーションの宝庫です。
六番目は、「意識の変化」です。
たとえば、日本に於いてはここ30年で健康に対する意識は大きく高くなりました。
サプリメントが登場したり、家庭でできるフィットネス機器、フィットネスジム、健康的な食事、最近ではマインドフルネスなど、様々な商品やサービスが登場しました。
七番目は、「発明や発見」です。
これは、技術的・社会的知識によるイノベーションで、
ドラッカーによれば、実用化までのリードタイム=市場で受け入れられるようになるには25~35年を要するとのことです。
ということは、このパターンが最も難しく、成功確率が低いということです。
数々の基礎研究による発明や発見は成されていますが、それが商品として市場に出回るには容易ではありませんね。
このようにドラッカーは、イノベーションのための7つの種を記していたわけですが、現在、新型コロナウイルスの最中で、「予期せぬもの」「ギャップ」「ニーズ」「産業構造の変化」「意識の変化」などが複合的に起こっています。まさに、イノベーションのチャンスだと思い、紹介しました。
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