社長の頭の中は、いつも問題や課題でいっぱいです。

「ああした方がいい？　こうした方がいい？　それとも全く別な解決策？」。

一番効果的な意思決定は何だろうかと悩むのが社長です。また、一緒になって親身に考えてくれる右腕がいれば助かりますが、頼りになる右腕がいないというのが中小企業の社長の現実です。よく社長は、重要だが緊急性のない仕事に時間を費やせと言われます。重要だが緊急性のない仕事とは、「未来の売上を創造すること」「経営環境を良くすること」など、いわゆる経営戦略を立案することです。

ランチェスター戦略の第一人者・竹田陽一さんによれば、中小企業経営者が1ヶ月間で経営戦略の立案に費やす時間は最低3日と言っています。ところが、目先の仕事に追われてまったく考えていないというのが現実です。社員とその家族を守らなければいけない社長は、会社の未来を創造しなければいけません。それが社長の一番大切な仕事です。

経営者は孤独だと言われています。一人で悩んでいても堂々巡りで、結論が出ずに先延ばしなんていうことも多々あります。これでは、いつまで経っても課題は解決しません。やはり、社長でも一10年、時代は大きく変わります。3ヶ月前の常識が非常識になる世の中です。変化の激しい時代は、変化についていくだけで疲弊します。

このような時代は、社長一人で考え、悩み、意思決定するには限界があります。社長の考える「常識」「思い込み」「価値観」「経験」「好き嫌い」の狭い範囲内でしか課題の解決策が出ないのが一般的で、ブレイクスルーは起きにくい状態です。たとえ解決策が見つかったとしても、そんな解決策を粘り強く継続行動して、PDCAサイクルを回すのは至難です。