営業活動において日常茶飯事にあることは、「値引き要請」や「価格交渉」です。特に法人営業では「もう少し安くならないか?」というセリフは常套句です。そこで今日は、値引き要請や価格交渉での切り返しをわかりやすく解説します。
当社も一年に1~2回、値引きをしてくれと言わることがあります。相手も一か八かで、値引きしてくれたらラッキーという感じなのでしょう。私は値引き要請をしたことが一度もないので、値引きをする人の気持ちがわからないのかもしれません。逆に、値上げ交渉をしたことなら何回もあります。
たいていの営業マンは、値引きを怖がります。もちろん自分の裁量でできる割引率が決まっている企業もあります。このような場合は、値引きされるのを前提としていますから、商談の場で値引きをして受注なんてこともあります。
また、顧客の中には、安ければどこの企業に発注してもいいという人もいます。このような人は、何社もから見積もりを取って、一番安い企業に発注します。このような商談では、商談に時間をかければかける程、受注しなければという意識が働きます。
結果、どんどん値引きを行い、ほとんど儲けなしで受注することがあります。相手は「次も発注するから」と都合のいいことを言いますが、待てど暮らせど発注がありません。このような話は山のようにあります。
このように、安ければどこでもいいという人は別ですが、そうでない場合の値引き要請や価格交渉は対処方法があります。
ひとつめの対処方法は、「会社の決まりで値引きは難しいです」と、はっきりと伝えることです。そして、なぜ値引きができないのか、理由も併せて伝えます。たとえば、「諸経費の上昇により、現行価格を維持していくのが現状では精一杯です」とか、「御社のご要望にお答えしようしますと、原価割れを起こす可能性があります」などです。
それでも食い下がる場合は、「私一人では判断できないので、会社に持ち帰って検討させてください」と一旦保留にします。そして後日、「上司の○○と検討した結果、○%値引きさせていただきます」と、最小限の値引きを提示してください。そうすれば、相手も喜びますし、あなたと上司の株も上がります。
ふたつめの対処方法は強烈です。
「他の商品と比べると高いと感じるられるかもしれませんが、お客様の関心は価格のことだけでしょうか?」と伝えます。これを言われると、「そういう訳じゃないが…」「そんなことはないよ…」「違うよ…」と反論する場合がほとんどです。
この後、商品やサービスのメリットを再度よく伝えて、再クロージングします。人間誰しも、価格だけで判断する人に見られるのが嫌です。なぜならば、金銭的な損得しか考えていない印象を与えるからです。
このように商談は、素晴らしい商品力や好感の持てる人柄だけでは、太刀打ちできないケースがあります。そういった時は、値引き要請や価格交渉を切り返す営業トークやスキルが必要になります。いわゆる応酬話法と呼ばれるものです。
応酬話法とは、顧客の反応に対して上手く切り返しをしていく話法です。応酬話法を身につけておくと、顧客がネガティブな発言をした時でも、話の流れを作ってスムーズにトークを進められるというメリットがあります。その理由は、顧客の心理に沿った適切な切り返しをしていくからです。
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