2023年3月23日、WBCで日本代表が優勝して列島が湧きに湧いた。
テレビをはじめとしたメディアは、日本代表の話題でもちきりだった。もちろん注目の的は、MVPを獲得した大谷選手、日本チームをまとめたダルビッシュ選手、アメリカ人の父と日本人の母を持つハーフ・ヌートバー選手。そのほか、日本の若手ピッチャー陣が話題になっている。
そこで今日は、栗山監督と大谷翔平に学ぶリーダー像についてわかりやすく解説する。
あるテレビ番組では「栗山監督こそがMVPだ!」と言っているコメンテーターいがた。
栗山監督は選手を招聘する際、自ら一人ひとりに電話をかけたそうだ。また、ヌートバー選手には手紙を書いたとのことだ。そんなことから、「何とか栗山監督を胴上げしたいしたい」という選手が非常に多かったらしい。これは監督冥利に尽きる。実は私も栗山監督こそがMVPだと思った一人だ。
私は栗山監督の発言に注目していた。
というのも、120%選手を信じている発言が多かったからだ。たとえば村上選手。準決勝でサヨナラ2ベースヒットを打つまでは極度のスランプで低迷していた。準決勝後の記者会見で、村上選手を最後まで信じた想いを質問された栗山監督の目は、少し潤んでいた(ように見えたのは私だけではないはず)。
そして、栗山監督はこう言った。
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あんなバッターではない。
世界がビックリするバッター。
WBCで証明したいと思ってやってきた。
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なかなかこの言葉は出てこない。
まるで台本がある映画の台詞のようだ。心底、村上選手を信じていたから出てきた言葉に違いない。また、決勝戦に臨む前、大谷選手がロッカールームの円陣の中で言った言葉も素晴らしいものだった。
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僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。
ファーストにゴールドシュミットがいたり、
センターを見ればマイク・トラウトがいるし、
外野にムーキー・ベッツがいたり、
野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような
選手たちがいると思う。
憧れてしまっては超えられないので、
僕らは今日超えるためにトップになるために来たので。
今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、
勝つことだけ考えていきましょう。
さあ、行こう!
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選手が躍動するような32秒間の見事なスピーチだったとSNSなどで話題になった。
まさに「ペップトーク」だ。つまり、人間は言葉ひとつでモチベーションが上がったり、やる気がなくなったりする理性と感情が密接に影響し合う生き物だ。
だからこそリーダーと言われる人たちは、言葉を操ることができなければ、組織をひとつにまとめたり、メンバーのモチベーションを高めることはできない。ただし、その言葉を本心で言っているかどうかが問題だ。
このような視点で栗山監督を観察すると、明らかに本心で言っていることがわかる。
小手先にテクニックではない。栗山監督は、今晩紹介した村上選手のコメント以外にも選手を本心で信じていることを物語るコメントを多数発言している。
私たち人間のコミュニケーション手段はいろいろあるが、意思疎通をスムーズに図るためには言語情報は重要だ。特にリーダーと呼ばれる政治家や経営者は。どんなに素晴らしい政策でも、どんなに素晴らしい戦略でも、他人に伝えることができなければ、政策も戦略もなしに等しいということだ。 「私の情熱は誰にも負けない!」と言ったところで伝わらない。
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