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ホスピタリティはChatGPTに学べ


それにしても「AI」の勢いが止まらない。

倫理の問題はさておき、人間にとって便利である一方、脅威となっていることだけは確かだ。しかし、一度世の中にリリースされ、日々恐ろしい勢いで進化しているものに対して、ストップをかけることは難しい状況だ。そこで今日は、ここまできた!AIの脅威をテーマにわかりやすく解説する。



先日、クライアントの新ブランドのロゴの方向性を考えていた。

「ChatGPT]では画像を扱うことができないので、Microsoftの「Bing AI」を使ってみた。大して期待はしていなかったのだが、これが凄いの一言だった。まず、ブランド名、このブランドを展開する企業の概要と商品など、ブランドの背景や環境を入力する。



すると、数十秒でロゴを4つも提案してくれた。

これにフィードバックをしていくと、再びロゴを4つ提案してくれる。これを繰り返すと、ものの10分で20個ほどのロゴが…。これは衝撃だった。正直なところ、ここまで使えるとは思っても見なかったからだ。



しかも、私の感性では絶対にアウトプットできないような感覚のロゴを生成することも可能だ。デザイナー泣かせというより、これを使わないデザイナーは市場のスピードについていけなくなるだろう。



このように、テキスト分野だけでなく、画像分野でも短期間で恐るべき進化をしているのがAIだ。今年の年末には、まったく違う世界が繰り広げられている可能性がある。ワクワクする。



さて「JAMA Intern Med誌」の論文を紹介する。

これは、アメリカ医師会が発行する医学雑誌だ。本誌のなかで「ChatGPT」が患者の質問に対して質の高い共感的な回答を提供できるかを評価している記事がある。



ソーシャルメディア「AskDocs」における患者さんからの質問を195個選び、それらに対する回答を医師と「ChatGPT」で比較した興味深い記事だ。患者からの質問とは、「爪楊枝を飲み込んでしまった場合、死亡する恐れがありますか?」「ランニング中に金属棒に頭部を打撲しコブができて頭痛がする場合,受診すべきですか?」などだ。



回答ごとに3通りの評価が行われ、195×3個の評価のうち78.6%が医師より「ChatGPT」の回答を選んでいる。そして、「ChatGPT」の回答は有意に長く(211語対52語)、かつ高品質だったという。たとえば、「良い」または「非常に良い」と評価された回答の割合は「ChatGPT」の方が3.6倍多くあった(78.5%対22.1%)。かつ有意に共感的で「共感的」または「非常に共感的」と評価された回答の割合は9.8倍だった(45.1%対4.6%)。



結論は,臨床の場でさらなる検討が必要であるものの「ChatGPT」を使って回答を作成し,医師がそれを編集することを提案している。日本と比べ、医療の電子化が進むアメリカでは,患者からの電子メッセージがパンデミック前の6割増加し,医師のバーンアウトの要因となると考えられている。



もし、ランダム化比較試験にて「ChatGPT」の有効性が証明できたら,医師のバーンアウトの抑制につながり、患者の転帰も改善するかもしれないと著者は前向きに語っている…。参考までに「バーンアウト」とは、仕事などに長期間取り組んでいるとストレスや疲れが蓄積され、身体的、感情的、精神的な疲労が慢性化する状態を指す。そして、興味ややる気が低下し、パフォーマンスが低下する。



この論文のなかで注目すべきは、「共感的」または「非常に共感的」と評価された回答の割合は9.8倍だったことだ。「ChatGPT」が45.1%に対し、人間は4.6%だ。



AIが賛否を問う前に、私たちはAIから共感=つまり人を思いやることを学ぶべきなのかもしれない。このまま人間がホスピタリティをないがしろにすると、患者への病状説明も「ChatGPT」に頼むことになるかもしれない。




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