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執筆者の写真社長の大学★長谷川博之

ヴァン・ヘイレンから学ぶ契約の極意

昨年、ロックバンド「ヴァン・ヘイレン (Van Halen) 」のギタリスト、 エドワード・ヴァン・ヘイレンが亡くなりました。

エドワード・ヴァン・ヘイレンといえば、ロックギタリストに多大な影響を与えた

タッピング(ライトハンド奏法)を広く普及させたことでも知られています。

また、アルバムは、アメリカで5,650万枚以上、全世界で8,000万枚以上を 売り上げています。



そのヴァン・ヘイレン、契約に関しては相当シビアだったそうです。

そこで今日は、契約の極意についてわかりやすく解説します。



ヴァン・ヘイレンのツアー契約書には決まって

「楽屋に茶色抜きのM&M'sのチョコを用意すること」と明記されていたそうですが、

まったく意味不明です。

ですが、これには明確な目的がありました。

ファンの中には、ただのわがままだと誤解していた人もいるようです…。



まずは、M&M's(エムアンドエムズ)のチョコですが

アメリカのチョコレートブランドです。

大変有名で、日本でも発売されています。



特徴は、チョコレートが砂糖菓子でコーティングされ、その上から様々な色で着色され、「m」の白文字が刻印されていることです。

そして、夏場など暑い時期にチョコレートが溶けたりして、手にべたつかず食べられます。

このM&M'sのチョコの中から茶色だけを抜き取るのは骨の折れる作業です。



「決定力!正しく選択するための4つのステップ」という本には、

この秘密が記されています。

以下転載です。



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契約に「M&M's条項」が盛り込まれていたのには、

明確な目的があった。

この第126条にはこう書かれていた。

「楽屋に茶色抜きのM&M'sのチョコレートを用意すること。

これに違反した場合は、ショーをキャンセルのうえ、

全額の補償を求めるものとする」。

この条項は、無数の技術仕様のど真ん中にこっそりと隠されていた。

ボーカルのデイヴィッド・リー・ロスは新しい会場につくと、

楽屋に直行し、M&M'sのボウルを確認した。

茶色のM&M'sが一粒でもあると、設備全体の総点検を要求した。

「間違いなく技術的なミスが見つかる。

契約書を読んでいないからだ。

もう少しでショー全体がめちゃくちゃになりそうなこともあった」

と彼は話す。

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この背景には、ヴァン・ヘイレンは大規模なステージプロダクションを

市場に持ち込んだ最初のバンドであり、舞台装置が超複雑で下手すると

自分たちが危険に晒される可能性があったからだという説もあります。

事実、ヴァン・ヘイレンのライブは、派手な照明などで電力や火薬をたくさん使います。



また、ツアー自体が過酷なスケジュールだったので、

細かいところまでチェックする余裕がなかったというのも

「M&M's条項」を契約に盛り込んだ理由のようです。



いずれにせよ、契約内容にどうでもいいような内容を盛り込んで、

それがちゃんとできているかどうかで契約内容を隅々まで

読んでいるかを判断していたのです。

そして、隅々まで読んでいない契約相手は、

仕事に関してもいい加減だということなのです。



このような方法で、契約相手を信用して良いのか、悪いのかを判断するのは

はじめて聞きましたが、デイヴィッド・リー・ロスは間違いなく

技術的な間違いが見つかると経験値で言っています。



契約前にも十分に相手を調べるでしょうが、

契約後にも相手をテストしてリスクを減らしています。

恐れ入りました…。



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