行動経済学で売上が劇的に変わる!数字だけでは売れない時代の攻略法
- 社長の大学★長谷川博之
- 8月20日
- 読了時間: 4分

「CTRは悪くない。LPも整えた。口コミも回ってる。 それでも売れない。」
これ…マーケティングの現場で毎日のように聞く嘆きです。
しかも、数字をしっかり追っている経営者ほど、この壁にぶつかります。
データは正しい。でも現実の顧客は動かない──。
そのギャップを埋めるカギが、今日のテーマです。
あなたは「行動経済学」という学問をご存じでしょうか?
これは、人間の合理性を前提にした経済学では説明できない、
「心理と無意識の力学」 を解き明かす学問です。
数字だけでは売れない時代において、この視点こそが経営と営業の最前線。
今日は、その具体例と現場での活かし方をお話しします。
営業の大学・株式会社リンケージM.Iコンサルティングの長谷川博之です。 これまで営業コンサルティングを9000回以上、クライアントへの売上貢献額は100億円以上です。また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。
行動経済学の象徴的な事例が、オランダのスキポール空港の男子トイレです。
以前、男子トイレでは“尿はね”による清掃コストが大問題になっていました。
ポスターで注意しても、便器の形を変えても効果なし。
しかし…たった1つの仕掛けで事態は一変します。
それが 「小便器にハエの絵を描く」 というもの。
結果、尿はねは 80%削減。 年間清掃コストは 1.5億円削減。
なぜか?男性の「的を狙いたくなる本能」に無意識で反応させたからです。
これがノーベル経済学賞にもつながった ナッジ理論(Nudge) の力。
命令や罰ではなく、自然と望ましい行動を取りたくなる環境設計 が本質なんです。
この事例を「面白い話」で終わらせてはいけません。
あなたの顧客も、まったく同じように 無意識に動かされている のです。
例えば…
・選択肢がA・B・Cの3つあると、人はBを選びやすい(極端回避性)
・2つの商品を提示すると、人は損を避けて安い方を選びやすい (損失回避バイアス)
これらはすべて行動経済学で説明できます。
つまり、マーケティングとは「人の心理を動かす精密設計」なのです。
では、どう活かすのか?
ここからは、中小企業やスタートアップでもすぐ使える事例を3つ紹介します。
①「買わない理由」を排除する:デフォルト戦略
資料請求フォームの「メルマガ登録」に初めからチェックを入れておく。
これだけで登録率が 2倍 になった事例があります。
人は“すでに選ばれている状態”を変えるのを面倒に感じるからです。
②「選ばせ方」を設計する:選択のフレーミング
3つの価格プランを用意し、あえて“高価格プラン”を設定。
結果、顧客は中間価格を「妥当」と感じやすくなります。
飲食店の「時価メニュー」が他の料理を安く感じさせるのも同じ理屈です。
③「感情の引き金」を設計する:物語性と共感
スペックよりも「開発背景」や「店主の思い」を語った方が購買率は上がります。
理由は、物語が“自己投影”を促し、人の行動を変えるからです。
これらは、顧客の無意識にアクセスして抵抗なく行動へ導くための設計です。
ただし、行動経済学は魔法の杖ではありません。
小手先のテクニックとして乱用すれば、逆に信頼を失います。
大切なのは…
・誠実な意図
・文脈の設計
この2つが、商品の本質価値と心理的導線を一致させ、継続的成果を生みます。
もう「伝え方」だけを考える時代ではありません。
これからは「動かし方」を設計する時代です。
行動経済学は、データだけでは見えない “感情と行動の地図” をあなたに与えてくれます。ぜひ、今日紹介した3つの実践法を、あなたのビジネスに取り入れてみてください。
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