『私が見た未来』は当たらなかった?!ビジネスパーソンが学ぶべき教訓
- 社長の大学★長谷川博之
- 3 日前
- 読了時間: 4分

「現代のビジネス環境において、 “未来を読む力”ほど重要なスキルはありません。
市場の変化。技術革新。消費者行動の変遷。
これらを先回りして掴める企業は、競合を圧倒的にリードできる。
でも、皆さんに問いたいんです。 果たして“未来予測”って、本当に当たるのでしょうか?
そこで今日は、ある一冊の本を題材にします。 たつき諒氏の『私が見た未来』。
今年に入ってから、SNSでも再び注目を集めた予言漫画です。
もともと1978年から記録されていた“夢日記”がベースで、 平成11年(1999年)に漫画として出版。 四半世紀を経て、また脚光を浴びました。
特に注目されているのが、2025年7月5日、フィリピン沖での海底爆発と大津波の予言。
オカルトのようでいて、現代人が飛びつく背景には理由があります。 それは“不確実な時代に、誰もが明確な指針を欲している”ということなんです。
営業の大学、株式会社リンケージM.Iコンサルティングの長谷川博之です。
営業コンサルティングを9000回以上、クライアントへの売上貢献額は100億円以上です。
また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。
冷静にデータを見てみましょう。
IMF(国際通貨基金)の経済成長率予測。 平均誤差はなんと 約1.5ポイント。
気象予報の精度。 3日先で 85%、7日先では 70%まで下がります。
さらに衝撃なのは、政治的な未来予測。 ペンシルベニア大学フィリップ・テトロック教授の研究によれば、 専門家による政治予測の的中率は―― コインの裏表を当てる確率とほぼ同じなんです。
つまり、未来を一点で正確に当てるのは“ほぼ不可能”。 これが統計的な結論です。
では、なぜ人は『予言は当たった!』と感じるのでしょうか?
ここで作用するのが心理学で言う
確証バイアス(自分の信じたい情報だけを拾う)
後知恵バイアス(過去を“当たっていた”と都合よく解釈する)
です。
たつき諒氏の予言も、メディアは“当たった部分”を大きく報じますが、 外れた部分には触れません。
だからこそ、『すごい的中率だ』と錯覚するんです。
「では、不確実な未来に対して、ビジネスパーソンはどう向き合えばいいのか? 答えは一つ。 『未来を一点で当てる』のではなく、『複数の未来を想定して備える』。
これが未来予測の本質です。
具体的には、3つの実践法をお伝えします。
まず1つ目。シナリオプランニングです。
“楽観シナリオ・悲観シナリオ・最頻シナリオ”の3つを作り、 それぞれに確率を割り振る。単一の未来に依存せず、複数の戦略を準備しておく。
これで、どんな未来が来ても慌てることがなくなります。」
次に2つ目。リアルオプション戦略。
これは小さな投資で未来の選択肢を確保する考え方です。
たとえば、新技術への研究開発。最初は小額でテストし、 成果が見えたら一気に投資を拡大する。
NetflixがDVD郵送からストリーミングに移行したのも、まさにこの思考です。 “完璧な予測”ではなく、“柔軟な適応”こそが成長の鍵なんです。」
3つ目は、集合知の活用とリスクヘッジ。
Googleの社内予測市場では、従来より 20%精度の高い売上予測 が実現しました。
さらに、“黒鳥理論”を忘れてはいけません。 低確率だが甚大なインパクトを持つ事象に備える。
パンデミック、自然災害、地政学リスク。 これらは完全には予測できない。 だからこそ、資金・体制・仕組みで“最悪に備える”ことが重要なんです。
ここまで話してきたことをまとめます。
未来は一点で当てられない。 でも、複数の未来に備えることで、あなたの事業は圧倒的に強くなる。
予言やオカルトに頼るのではなく、確率思考で備えること。 これが、不確実な時代を生き抜く経営者・ビジネスパーソンの条件です。
ぜひ今日から、未来に備えるフレームを実践してみてください。
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