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今、精神論は必要なのか?


精神論…。私が若い頃、よく聞いた言葉です。私の年代では精神論は死後になりつつあり、上司から「根性が足りない!」「やればできる!」など言われると「また、精神論が始まったよ…」と反発していたのをよく憶えています。



ですが、高度経済成長期を最前線で過ごした人にとって、精神論は行動に駆り立てる重要な要素でした。そこで今日は、今、精神論は必要なのかをわかりやすく解説します。



精神論として一番パワーのある言葉として思い出されるのは、「やればできる!」「夢は必ず叶う!」の2つです。この2つを強く持っていないと、目標を達成することはできません。ただし、この言葉を思ったり、連呼したところで目標を達成するわけではありません。



上司がこのような言葉を連発するのは、死ぬ気で頑張れば大抵のことは何とかなるということなのでしょうが、それは高度経済成長期のような右肩上がりの経済の後押しがあったからなのです。とにかくがむしゃらに働く=長時間労働=過重労働を社風として定着するように仕向けてきた節があります。



ところが今は、当時と経済状況はまったく異なりますし、働き方改革の世の中です。精神論をぶちまけている企業は「ブラック企業」と呼ばれてしまいます…。ですが現実は、「がむしゃらに働く=長時間労働=過重労働」を良しとしている企業もあります。また、良しとしている人も社内にはいます。



さらに、企業の昇進のシステムも不可解なものが数多くあります。昇進のシステムと言えば聞こえはいいのですが、実際にはシステムではありません。たとえば、昇進によって肩書きが与えられます。肩書に付随して責任も与えられます。ところが、権限や見返りは少ない、または一切ないという企業もあります。いわば、名ばかり管理職です。



私は企業の最前線で働く人と話をしますので、「課長になったのはいいけど、係長の時と何も変わりないですよ。部下が増えたわかでもなく、昇給したわけでもなく、ただ責任が大きくなっただけです…」、こんな話をよく聞きます。役職が人格を作るなんて言いますが、これでは役職が不満を作るになってしまいます。



企業側としては、仕事ぶり、社員の年齢、家族を考慮して昇進を決めますが、社員は納得しているわけではないのです…。納得していないうえに、「部下に信頼されるリーダーになってくれ!」という、またしても精神論的なことを押しつけられるのです。



これ以外にも、日本の企業では数多くの精神論がまかり通っています。たとえば、「社員は家族だ!」なんていうのも、そのうちのひとつです。1日8時間も一緒に仕事をしているのですから、下手をすれば家族よりも一緒にいる時間が長い人もいるでしょう。そういった意味では家族なのかもしれませんが、経営陣が思っているほど社員はそうは思っていません。これが現実です。



さて、ノンフィクションライターの窪田順生(くぼた・まさき)さんいよれば、コロナ禍になってから、日本社会は前にも増して、「根性」や「気合い」が語られるようになったと言います。その理由は、欧米よりも新型コロナウイルス感染者数が少ないのは、日本人が自粛を頑張ったからだと…。



そして、感染者が増加傾向になると「若者の気がゆるんでいる」「ワンチームで一生懸命取り組めば、コロナはきっと撃退できる」などを声高に叫びます。さらに、「全力で取り組みます」という精神論だけで、具体的な対策がない政府…。気合も大切ですが、気合だけで難局を乗り越えられるのであれば、誰も苦労しません。



苦しくなればなるほど、このような「精神論の押し付け」によって、面倒な問題を個人に丸投げする動きが活性化するのはなぜなのでしょうか?




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