儲かってるのに資金ショート!“黒字倒産”に陥る会社の典型パターン5つ
- 社長の大学★長谷川博之

- 3 日前
- 読了時間: 5分

2025年、 いま日本のビジネス現場で、 こんな現象が多発しています。 「売上はある。でも潰れる。」
えっ?売れてるのに潰れる? 普通、倒産って“売れない会社”がするものでしょう。 でも今、真逆のことが起きているんです。
とくに目立っているのが ──中古車販売業。
市場が拡大しているのに、倒産件数が過去最多ペース。 一体、何が起きているのか?
今日はこの“現象の裏側”を、営業コンサルタントの視点で徹底的に掘り下げます。 そして、中古車業界に限らず、あなたの業界にも共通する“構造リスク”をお話しします。
営業の大学・株式会社リンケージM.Iコンサルティングの長谷川博之です。 営業コンサルティング9,000回以上、クライアントへの売上貢献額は100億円以上です。
また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。
日経の報道によれば、2025年1月〜5月の中古車販売店の倒産件数は、 前年比56%増の50件。 年間では100件を超える見通しです。
一方で中古車の流通台数は、2年連続で増加中。 2024年度には646万台に達しました。
つまり、「需要は減っていない」。 消費者は確実に中古車を買っているのです。
なのに、倒産。
ここに、今の時代の“経営の落とし穴”があります。
中古車販売の多くは、オートオークションという競売市場に依存しています。 しかし今、そのオークションで異変が起きています。
それは ──海外バイヤーの台頭。
円安の影響もあって、海外の業者が資金力で一気に買い占め。 同じ車を仕入れようとしても、国内の中小販売店は太刀打ちできない。 結果、仕入れ単価が上昇し、利益が出ない。
「売れば売るほど、儲からない。」 まさに“逆転の構造”です。
しかもこれは、中古車業界だけの話ではありません。 たとえば、
・原材料を仕入れて加工する町工場 ・輸入雑貨を扱うセレクトショップ ・食品卸業者
どこも同じ構造の“罠”にはまっています。
では、どんな業種が危険なのか? 私はこれを「倒産多発業種の5大特徴」として整理しました。
1.調達力が利益構造の中心にある
仕入れ競争に勝てなければ生き残れない
2.収益源が単一チャネル(売り切り型)に依存している
継続収入がなく、景気変動に弱い
3.粗利構造が外部要因に影響されやすい
為替、物流、人件費、すべて外部次第
4.顧客の購買決定軸が“価格”に偏っている
差別化ができず、値下げ競争に巻き込まれる
5.営業の属人性・非デジタル依存
“売れる人”がいなくなった瞬間に崩壊
中古車販売業は、この5項目すべてに該当します。 だからこそ「売れているのに潰れる」のです。
多くの経営者が、「うちの商品が悪い」と思い込みます。 でも、違うんです。
倒産の本当の原因は、商品ではなく“構造”にある。
つまり、売上を生む仕組みそのものが、
・外部要因に依存している ・他者と同じ土俵で戦っている ・価格でしか勝負できないこの構造が壊れているんです。
「売上が上がっているから安心」 ──そう思っている経営者ほど危ない。 なぜなら、“売上は増えても利益は減っている”からです。
では、どうすればいいのか? 倒産を防ぎ、再生するための方向性は、次の5つです。
1.仕入れ構造を内製化する「地域買取の強化」
オークション依存から脱却し、地元の人から直接仕入れる。 たとえば「車を売りたい個人客」との関係を作る仕組みを整える。
LINE公式アカウントやDMを活用して、「車を買ってください」ではなく 「あなたの車を買わせてください」と逆営業する。 この発想の転換が生き残りの第一歩です。
2.販売形態を「売り切り」から「継続」へ
サブスクリプション化。 たとえば「月3.5万円で半年契約」など、ミニマムなカーリースを始める。 販売台数を追うよりも、“継続収益”を積み上げる方向へ。
安定したキャッシュフローがある会社ほど、倒産しません。
3.AIとデータを活用した“回転率経営”
在庫を持つ時代ではなく、“回す時代”。 AIを使って、在庫の最適化や価格設定を自動化する。
「売れ筋・死に筋」をデータで見える化すれば、人の勘に頼らない利益経営が
可能になります。
4.販売対象の多角化:法人顧客へ転換
BtoCだけでなく、BtoB市場にもチャンスがあります。 訪問介護業者、配送会社、建設会社など、複数台・定期購入の需要がある顧客を狙う。
個人よりも安定した収益源になりやすいのです。
5.営業手法の“脱・属人化”
「売れる営業マンがいないと売れない」 ──この構造を壊す。 営業スクリプトやトークマニュアルを整備し、AI営業支援ツールを導入して標準化する。 仕組みで営業力を再現できる会社が、これから生き残ります。
このテーマを話すと、多くの経営者が言います。 「うちはまだ大丈夫」 でも、数字が黒字でも資金繰りが赤字なら、すでに危険信号です。
“売れているのに潰れる”会社は、ほとんどがこのパターン。 売上よりも「利益構造」「キャッシュフロー」「再現性」にこそ、 目を向けるべきなんです。
構造を変えた企業は、景気に関係なく生き残ります。 あなたの会社も、いまこそその一歩を踏み出す時です。
いかがでしたか? 今日は、「売れてるのに潰れる会社」の共通点と再生のヒントをお話ししました。 ★新人・若手営業マンのバイブル 『60秒で学べる営業スキル大全集』発売中!
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