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忙しそうなので、質問すると迷惑がかかる…

数年前、ある業界の人からこんな話を聞いたことがあります。 この業界は市場は大きいのですが、とにかく供給側の慢性的な人手不足が続いています。 また、せっかく入社しても、離職率も高く、若手の育成も思うように進まないということです。

どこに原因があるのかを聞いてみると、若手に対する教育システムが整っていないとのことです。 今の若い人は教育に対して敏感です。

「どの程度の教育を受けられるのか?」 「その教育を受けると自分でスキルなどをマスターできるのか?」などが気になるようです。

今から考えれば当たり前の話なのですが、私が20歳の頃は教育システムのことなど考えたこともありませんでした。 入社したら、先輩の仕事を見て憶えて、わからないことがあれば先輩に質問すればいいと…。 ものすごく簡単に考えていました。 ですが、今は違います。 新入社員に対しては、しっかりと教育しなければすぐに離職することになります。

さて、冒頭の話に戻りますが、教育カリキュラムやシステムが整っていないことに加えて、この業界は慢性的な人手不足です。 このような状況だと、先輩社員が新入社員に十分な教育ができないことはもちろん、新入社員がわからないことがあっても、先輩社員が忙しそうに働いているので、「質問するのが悪い…」「質問するタイミングが逸してしまった…」など、相当気を遣うようです。


このような結果、仕事を覚えられない=一人前になれない=自信が持てない=離職に繋がるようです。 また、相談したり、質問ができないような環境では、孤独感を感じたり、イライラや不安を増大させます。

ですが、上司である先輩社員はそのことが見えていないのです。 そして、この問題は放置され、「最近の若い人は我慢が足りない…、わからなかったら質問すればいいのに…」と、愚痴になって表れます。

では、この問題を解決するにはどうしたらいいでしょうか? 私は、多くのクライアントの社員と接してきました。 教育に関しては2種類の人がいます。 ひとつは、一度教えたら、自分で考えて行動するタイプです。 余程のことがない限り、質問をしてくることはありいません。 もうひとつは、一度教えても、わからないことや不安なことがあれば、頻繁に質問してくるタイプです。 どちらが良い悪いではありませんが、上司からすれば前者の部下の方が楽なことは確かです。 だたし、自分で判断するので、自分の好き嫌いで決めたり、会社の方針と違う意思決定をすることがあります。 ですが、本人に悪気はありません。 一人で考えて行動することが良いと思っているからです。

一方、後者のタイプですが、上司によっては、「物覚えの悪い部下」だと思うかもしれません。 また、忙しい時に質問をされるとあからさまに嫌な表情をする上司もいます。 そうなると部下は、「質問をすると迷惑なんだ…」という判断を下します。 その結果、質問することを躊躇するようになります。 こうなっては、上司に相談する部下はいなくなってしまいます。



新入社員の教育で一番大切なのは、新入社員の不安を軽減してやるために、全員がウェルカムで迎えることです。 そして、新入社員に教育担当者をつけることです。

「わからなかったら、誰でもいいから聞いてね」では、誰に聞いたらいいのかわかりません。 益々、不安を増長させます。

いぜれにせよ新入社員は、上司に質問や相談をすることにより、より早く、より品質の良いものができます。 結果、顧客満足度も上がります。 ということは、いつでも、誰でもが、相談や質問ができる雰囲気づくりや環境づくりが重要だということです。 新入社員に質問するしないを任せつつ、上司も新入社員に「わからないことはないか?」「困ったことはないか?」など声をかけることも大切です。


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