【BtoB営業】ChatGPTに「メール」を書かせてはいけない理由
- 社長の大学★長谷川博之

- 3 日前
- 読了時間: 7分

最近、どこに行っても聞きませんか?
「これからは生成AI営業だ!」 「ChatGPTで自動化だ!」 「AIを使わない会社は時代遅れだ!」
正直……「うるさいよ」って思いません? 現場の皆さんはこう思ってるはずです。 「そんな魔法みたいなツールがあるなら苦労しねーよ」と。 「実際使ってみたけど、なんかロボットみたいな文章しか出てこないし、 これをお客さんに送るなんて怖くてできないよ」……と。
その感覚、大正解です。
実は、今のBtoBの現場で、 AIを「魔法の杖」だと思って導入した企業の多くが、 失敗しています。 というか、逆にお客さんの心が離れていっています。
ですが! 今日お話しするのは「だからAIは使えない」という話ではありません。 むしろ逆。 「AIの弱点」を知り尽くした上で、 「じゃあどこで使うの?」という 一点突破をした企業だけが、 とんでもない成果を出しているんです。
今日は、皆さんが感じている「AIへの違和感」の正体を暴きつつ、 開封率を劇的に改善した実例と、「明日から使える具体的なメール作成フロー」まで、 徹底的に深掘りします。 ぶっちゃけ、今日の動画を見るだけで、明日からのメール作成時間が半分になり、 アポ率は倍になる可能性があります。ぜひ最後までお付き合いください。
営業の大学・株式会社リンケージМ.Iコンサルティングの長谷川博之です。
売れない営業チームを売れる営業チームに変える営業コンサルタントです。
実績は、9000回以上の営業コンサルティング、クライアントへの売上貢献額100億円以上。また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。
さて、本題に入りましょう。 ここ1〜2年、私の周りでも「生成AI」というキーワードが飛び交っています。 あらゆる営業支援ツールが、 「AIによる文面作成」「ナレッジの自動蓄積」「ホットリード予測」 ……なんて機能をうたっていますよね。
でも、マーケティング担当の皆さんに聞きたい。 「それ、本当に現場の営業マンが毎日使ってますか?」 おそらく、答えはNOです。機能はあるけど、精度や運用が追いついていない。 「なんか使いにくい」という空気が現場に充満している。
なぜか? 理由はシンプルです。
「AIが書く文章には、アレがないから」です。
具体例を見てみましょう。 例えば、製造業向けにシステムを売り込むメールをChatGPTに書かせてみます。
「製造業向けERPの営業メールを書いて」と入力。 出力された文章を表示。
『拝啓、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、昨今の製造業界におけるデジタルトランスフォーメーションの波は ……弊社ソリューションは効率化を……』
うん。間違ってはいない。 間違ってはいないけど…… 「なんか、誰にも刺さらなそう」じゃないですか?
「正解」だけど「刺さらない」。キレイすぎるんです。教科書通りすぎるんです。
これを受け取った決裁者はどう思うか。 「あー、また一斉配信の営業メールか。ゴミ箱へポイ」です。 AIは「行間」が読めません。 現場のドロドロした感情や、組織の温度感を学習していないからです。
「じゃあやっぱり、AIなんて使えないじゃん!」 そう思ったあなた。ここで帰らないでください。ここからが重要です。
実は、「行間が読めない」という弱点がありながらも、AIをうまく使いこなして、 メール開封率を平均21%から28%に爆上げさせたSaaS企業があるんです。 これ、マーケターなら分かると思いますが、 開封率を7ポイント上げるって、異常事態ですよ?
平均開封率 21% → 28% 平均返信率 1.3% → 2.7%
返信率に至っては倍増です。 なぜこんなことが起きたのか。 彼らはAIに「クロージング(契約)」をさせようとはしませんでした。 AIにやらせたのは、徹底的な「下準備」です。
具体的に彼らがやったことは3つ。
1.顧客の業種・役職に合わせた文面のチューニング
2.過去の営業トークやホワイトペーパーに基づいた提案内容の要約
3.反応率の高いメールタイトルの生成
これらを、人間がやるのではなく、AIに「数秒」でやらました。 ある企業の営業チームは、毎朝ChatGPTに 「今日のターゲット企業のアプローチメール案」を作らせて、 それをMA(マーケティングオートメーション)ツールで配信しています。
ここで重要なのは、「メール1通あたりの思考コスト」が激減したことなんです。 人間がゼロから「件名どうしようかな…」「書き出しどうしようかな…」と悩むと、 1通書くのに15分とかかかりますよね。 でも、AIなら3秒です。
この「時間の余白」が生まれたことで、何が起きたか? それが次の章でお話しする「人間がやるべき最後の味付け」につながるんです。
多くの人が勘違いしています。 AIが出した答えを「完成品」だと思っている。 違います。AIの出力は、料理で言えば「泥付きの野菜」や「下処理された肉」です。 そのままお客様に出したらクレームになります。
AIの出力 = 生素材。そのまま出すな。
現場で必要なのは、人間による「味付け」です。 先ほど言いましたよね。「AIは行間を読めない」と。 例えば、「決裁者が今、本当に困っていること」や 「営業担当者が商談で感じた“ちょっとした違和感”」。 これを言語化してメールに落とし込めるのは、人間だけです。
だから、正解の使い方はこうです。
「AIに80点のたたき台を作らせて、 人間が残り20点の魂を吹き込む」。
AIが作った「業界のトレンド」や「一般的な課題」の部分はそのまま使います。 でも、最後のひと押し、例えば…… 「先日、御社の〇〇様とお話しした際に、現場の若手の方がこの業務に苦戦されていると伺いました。実は私も同じ経験がありまして……」 というような、「私とあなたの関係性」に基づく文章。ここだけを人間が書き足すんです。
これなら、ゼロから書くより圧倒的に早いし、
完全にAI任せにするより圧倒的に刺さります。
AIを「ライター」として使うのではなく、 「優秀な下書き係」として雇う感覚。 これがBtoB現場での正解です。
「概念はわかった。じゃあ具体的にどうすりゃいいの?」 お待たせしました。 明日から皆さんの会社で使える、具体的な3つの活用パターンをご紹介します。 これ、そのままパクってください。
1つ目。「業種別テンプレの量産」です。
例えば、「製造業」「小売業」「IT企業」……それぞれに響く言葉は違いますよね。 これを人間が書き分けるのは大変です。 そこでAIにこう指示します。
あなたはBtoB営業のプロです。 当社のサービス『〇〇』を提案するためのメール案を作成してください。 ターゲットは【製造業の工場長】です。 彼らが抱えがちな『人手不足』『品質管理』の悩みに寄り添い、 専門用語を交えながら、信頼感のあるトーンで書いてください。
これでベースを作らせて、あとは営業マンが微調整するだけ。 これだけで、一斉配信メールの反応率が変わります。
2つ目。「今週攻めるべき企業リストの提案」です。
MAツールでスコアが高い企業があったとき、AIにその企業のHPを読み込ませて、 「この企業が今、注力している事業は何? そこに対してウチの商品はどう役立つ?」 と壁打ちさせるんです。それを営業マンに渡してあげる。 「このネタで電話してみて」と。営業マンは涙を流して喜びますよ。
3つ目。これが一番大事かもしれません。
「思考のきっかけ」にする。 プレゼンの骨子や提案書の構成をAIに作らせることで、 営業とマーケティングの担当者が「これをベースに議論しよう」と会話が始まります。 ゼロからホワイトボードに向かうより、AIという「第三者」の案があったほうが、 議論が早く進むんです。
いかがでしたでしょうか。 「生成AIは使えない」と嘆くのか、 「生成AIを使いこなして、人間しかできない仕事に集中する」のか。 結論、AIを使いこなせるかどうかは、テクノロジーの理解力ではありません。
「小さく実験する勇気」があるかどうかです。
100点の活用方法なんて探さなくていいんです。
まずは明日、1通のメール、1件の提案書から、AIに「下書き」を頼んでみてください。
「あ、ここは使えるな」「ここはやっぱり人間が書かないとダメだな」 その試行錯誤の中にしか、あなたの会社にとっての「正解」はありません。
今こそ、AIの力を借りて、営業とマーケの垣根を越える第一歩を 踏み出してみてください。 もし、「実際にこんなプロンプトを使ったらうまくいったよ!」とか、 逆に「こんな失敗したよ!」という話があれば、ぜひコメント欄で教えてください。 全部読みます。そして、一緒に改善案を考えましょう!
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