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営業は移動が9割?!違います。勝つ人だけが使う「移動設計術」

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移動7時間30分、仕事は90分。 ――これ、最悪のスケジューリングに見えますよね? でも、実は“正解”になることがあります。

営業の大学・株式会社リンケージM.Iコンサルタントの長谷川博之です。 営業コンサルティングを9000回以上、クライアントへの売上貢献は累計100億円以上です。また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。 9,000回以上の現場支援で、移動の“損益分岐”を数字で見抜く方法を磨いてきました。 そこで今日は【移動をコストから投資に変える方法】を “方程式”でわかりやすく解説します。

最後に、明日から使える《移動最適化チェックリスト10》もご紹介しますので、 ぜひ最後までご覧ください。


結論からいきます。 移動時間の善し悪しは“感覚”ではなく“数式”で判定できます。 私はこれを【移動ROI(Return on Itinerary)】と呼んでいます。



移動ROIの公式は… 移動ROI=期待売上(万円)×受注確度(0〜1)×LTV係数(1〜3)      ×関係構築価値(0.5〜2)÷総移動時間(時間)

このスコアが… ✅️50以上であれば、即GO ✅️20〜49であれば、オンラインや訪問集約を検討 ✅️19以下であれば、別手段に切り替え


――こんな基準で判断します。


先日の県外出張。 仕事90分に対して移動7時間30分。普通なら“非効率”の烙印。 でもその商談は単価1,000万円級×確度高め。 さらに“次につながるキーマン紹介”が期待できる案件でした。 結果――移動は“投資”でした。

遠出は環境が変わってアイデアが閃きやすく、ストレス解消にもなる。 つまり、『時間』だけでなく『価値』も運んでいるんです。


一方で、現代の営業では“移動”が依然として重いテーマ。 特に地方営業は移動距離が長く、1日4時間以上移動に費やす人も珍しくない。 年間200日働けば800時間。丸々“100日分の労働時間”を移動に乗せてる人もいます。 問題は“移動が多いこと”そのものではなく“非効率な移動”が成果を食い潰すことです。

ありがちな非効率はこの3つ。

①遠すぎる 移動距離の割に案件価値が小さい

②順番がバラバラ ルート設計が甘く無駄が多い
③移動中が空白 移動時間を価値創出に変えていない

結果どうなるか。 ■訪問件数が減り、売上機会が目減り ■遅延で信用低下、満足度ダウン ■移動疲れで提案クオリティが落ちる ■交通費・宿泊費・人件費が膨張そして、  売上減→人員圧縮→離職→ブランド低下という悪循環が始まります。


“移動してる感”は仕事をした気にさせてくれます。 けど、“達成感”と“成果”は別物。 リングに立ってないシャドーボクシングで勝てる試合はありません。


では、“非効率な移動”を“利益が残る移動”に変える実務です。 今日は5ステップでいきます。


ステップ1 初回は“原則オンライン”で確度を測る

見込売上が10万円級なら当然オンライン推奨。 1,000万円級でも初回はオンラインでBANTやSCOTSMANを軽く当て、 『確度・意思決定構造・実行時期・競合状況』を見極める。 “現地は2回目以降、濃い打ち合わせに投資する”のが鉄則です。


ステップ2 移動ROIで“行く・行かない・集約する”を即決

先ほどの式に数字を入れます。 例1:10万円案件・確度0.4・LTV1.0・関係価値0.8・移動2時間 → 10×0.4×1.0×0.8÷2=1.6 → オンライン/メールで十分 例2:1,000万円案件・確度0.6・LTV1.2・関係価値1.5・移動7.5時間 → 1000×0.6×1.2×1.5÷7.5=144 → 即GO 数式にすると、感情に引っ張られません。」


ステップ3 ルート最適化“3層設計”

層A:確実に会うべき核案件(ROI高/意思決定者同席) 層B:同エリアで“面”を取る補完案件(紹介狙い・商談深耕) 層C:移動近接の“布石”案件(短面談・次回オンライン誘導) “1日の中でA→B→Cの順”に並べる。 地図ベースで時系列に線を引き、逆走をゼロに。

ステップ4 移動中を“価値時間”に変えるチェック(抜粋)

□インバウンド準備(事前に『議事メモ雛形』を共有) □提案の“冒頭30秒”を3パターン録音して磨く □同行者がいれば“ロープレ2往復” □直前の競合レビュー(勝ち筋3点・落とし穴3点) □帰路は3分振り返り音声→文字起こし→CRM即貼り」


ステップ5 ツールは“軽く&一貫”

CRMで“確度・単価・LTV・関係価値”を1レコードで管理。 地図×カレンダーで“距離と時間”を同時設計。 オンライン会議は“初回”と“中間確認”に固定。 “全員が同じ絵を見て同じ言葉で判断する” ――これが効率の土台です。


実際の現場で、『オンライン初回→移動ROI→ルート3層』に切り替えただけで、 月の対面件数は微増、受注単価は1.6倍、移動費は20〜30%減になった例は珍しくありません。“量より質、でも質を担保するための設計”がポイントです。


“関係構築価値って主観じゃないですか?”という質問をよくされます。 ――たしかに。なので私は0.5・1.0・2.0の三段階にしています。

✅️0.5:会わなくても進む

✅️1.0:会えば進む

✅️2.0:会わないと進まない(紹介・役員同席・見学必須など)迷ったら“1.0”。     ブレません。


1日のモデルも紹介します。 08:30-09:00 ルート最終確認&“冒頭30秒”練習 09:00-10:00 A案件オンライン(初回 or 中間確認) 10:30-12:00 A案件対面(意思決定者同席) 12:00-13:00 ランチ&要点メモ→CRM 13:15-14:00 B案件対面(深耕) 14:30-15:00 C案件クイック面談→次回オンライン予約 15:30-16:00 車内ロープレ/反論潰し更新 16:30-17:30 A案件フォロー提案書ドラフト 17:30-18:00 3分音声ふりかえり→CRM」

《移動最適化チェックリスト10》

  1. 初回は原則オンラインにしたか

  2. 移動ROIを算出して意思決定したか

  3. ルートはA→B→Cの三層で組んだか

  4. 逆走・往復をゼロにできているか

  5. 関係価値“2.0”の案件に時間を厚く置いたか

  6. 同行者とのロープレを移動中に2往復したか

  7. 競合の勝ち筋/落とし穴を直前に共有したか

  8. 面談直後に“1分サマリ”を顧客へ送ったか

  9. 帰路で3分音声メモ→CRMに反映したか

  10. 明日の“冒頭30秒”を録音で仕上げたか



――この10個、毎日“9/10以上”で回すと、   1ヶ月で世界が変わります。

“移動は悪”じゃない。 “設計されていない移動”が悪なんです。 数字で見極め、会うべき相手に濃く会う。 それだけで、移動は“コスト”から“投資”に変わります。


今日の【移動ROIの式】と【チェックリスト10】を使ってみた感想、 コメント欄でぜひ教えてください。



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