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成約率を2倍にする“質問設計”の極意

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“商談が浅いまま終わってしまう” ──営業の現場で、これほどよく聞く悩みはありません。


“頑張ってヒアリングしたのに、前に進まない…” “お客様の反応は悪くないけど、手応えがない…”

こう感じたこと、ありませんか?


実はこの悩み、営業スキル不足ではなく、 “質問設計の構造が間違っている”ことが原因なんです。


今日は、営業の現場を9,000回以上見てきた私が断言します。 『質問の順番と深さを変えるだけで、商談の解像度は劇的に上がる』 ──その具体的な方法を、実例を交えて解説します。


営業の大学、株式会社リンケージМ.Iコンサルティングの長谷川博之です。

9000回以上の営業コンサルティング、クライアントへの売上貢献額100億円以上。

また、日本初のAI営業コンサルタントとしても活躍しています。


「まずはこちらの2人の営業を比べてみましょう。」


【シーン1】

若手営業Aが顧客に質問します。 『御社ではどんなツールを使われていますか?』 『ご満足されていますか?』

顧客の返答は「はい」「いいえ」だけ。 10分後には、空気がどんより…。 まるで就職面接のよう。 後日、担当者から言われた一言──『正直、疲れました…。』


【シーン2】

一方で、ベテラン営業Bはこう聞きます。 『最近、現場で一番議論になっているテーマって、どんなことですか?』

顧客は少し考えてから答えます。 『実は営業の立ち上げスピードが課題で…』

そこから話が広がり、組織・教育・仕組みの話へ。 結果、システム提案+教育支援まで受注に。


この差はどこにあるのか? ──それが「質問設計」の違いなんです。


営業トークには、段階に応じて5種類の質問が存在します。


1.単純に尋ねる質問(事実確認)

「営業支援ツールはお使いですか?」 →これは入口の質問。信頼構築フェーズ。ただし、長居すると“尋問”に変わります。


2.念のために確認する質問(小さなYesを積み重ねる)

「本日の目的は来期の改善検討で間違いないですか?」 「『工数削減』は営業全体を対象とされていますか?」 →会話の精度を上げるクッション。  ※ただし、多用しすぎるとリズムが単調になるので2〜3回まで。

3.具体的に踏み込む質問(解像度を一気に上げる)

「課題を例えると、Aのような状態ですか?それともBですか?」 「議論が多かったのはコストよりスピードですか?」 →顧客の頭の中を整理させる質問  ※AI営業ではこのフェーズを特に重視します。

4.気づきを促す質問(思考を深める)

「なぜ、その施策に手応えを感じなかったんでしょうか?」 「競合との差を一番感じるのはどんな場面ですか?」 →顧客の“自己発見”を引き出す。ここで“表情が変わる瞬間”が訪れます。


5.一緒に探究する質問(共創型)

「そもそも、なぜこのような課題構造になっているのでしょうか?」 「もし制約がなければ、理想の状態はどんな姿ですか?」 →商談が“情報交換”から“未来共創”に変わる瞬間。


商談の目的は、“情報を集める”ことではなく、“顧客の思考を動かす”ことです。

浅い商談=顧客が「考えていない」時間が続く。深い商談=顧客が「考えながら話している」時間が長い。

つまり、営業の勝負は「相手がどれだけ考えたか」で決まる。

質問とは、顧客の脳を動かすスイッチなんです。

ここで心理学的に言えば、 “自分の言葉で話すと、その内容に自分が納得する” という現象が起きます。 これを自己説得効果と呼びます。


営業がうまくいく人ほど、この自己説得を“質問の力で起こしている”んです。


事例1:BtoB製造業の商談

課題ヒアリングでよくある質問「今の設備で不満な点はありますか?」 →顧客「まあ特にないですね。」

ここで終わり。浅い。

一流営業はここからこう切り返します。 『では、今後の理想の稼働状態を“夢物語でもいいので”描くとしたら?』 → 顧客「そうですね、夜間も自動運転できたら最高ですね。」 →新しい提案の扉が開く。


事例2:システム導入提案

普通の営業「コストはどれくらい意識されていますか?」 上級営業「導入後、最初に“効果が出た”と感じたい場面ってどこですか?」 →顧客「現場の入力時間が減ると、すぐ成果を実感できますね。」 →成果軸を顧客の感覚で定義。刺さる提案が可能に。


AI時代の営業では、「情報」は誰でも取れる。 ChatGPTやCRMが、事前情報を整えてくれる。

だからこそ、営業マンの価値は“質問力”に集中する

AIが作る提案書よりも、人間の質問が商談を動かす時代です。

おすすめは、ChatGPTに「質問案を生成させる」こと。


たとえば、「製造業の営業ヒアリングで潜在ニーズを引き出す質問を10個作って」 と入力するだけで、ベースが出ます。 あとはあなたが“順番とトーン”を調整すればOK。


AIは“地図”を描く。あなたは“どの道を進むか”を決める。 このバランスが、次世代営業の勝敗を分けます。


商談は、 1.準備2割 2.質問5割 3.提案3割 が黄金比です。


多くの営業マンは“提案に比重を置きすぎて”失敗します。 しかし、質問の5割で相手を惹き込み、提案3割でまとめる ──これが成約率を倍にする鉄則です。


さらに、質問の流れには“ストーリー”を持たせる。 【過去→現在→未来】の順で掘り下げると、顧客は自然に話したくなります。


今日のテーマは、“商談の解像度を上げる質問設計”。

ポイントはたった3つです。


1.浅い質問に長居しない。

2.思考を促す質問を中心に置く。

3.未来共創の質問で締める。


この3ステップを意識するだけで、『とりあえず検討します』は激減します。

質問は、武器ではなく“共感の構造”。 相手の思考を一歩深く掘り下げることで、営業は“取引”から“信頼”に変わります。



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